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「あと約8分ほどだ」府氏橋は少し考え、腕時計を見てから答えを出した。「は、8分!?」忍座先生は信じられないという顔をしていた。「は、8分でいったいどこにもっていけば…」忍座先生は焦っていたが、府氏橋には計画があった。「ちょっと君たちの力を借りるよ、それでもいいのならばこの町を助けるとこの命で誓うよ」府氏橋は胸元に触れた。「そうか、それじゃあ府氏橋、君を信用しよう。それで、どうすればいいんだ?こんな大きなロボットを持ち運べなどとは言うわけがないだろうし」彼は倒れているロボットを見た。
「その通りさ」府氏橋は明るい笑みを見せてきた。「え?」忍座先生は固まった。「はー!?」自分の分身を作れるほどの運動神経を持っている彼にすらさすがに無理そうな仕事。「いやいやいや、あんなでかいのをここにいる4人で持ち上げるなんて不可能なんじゃ…」府氏橋は彼の口を閉じさせた。「誰が4人でやるって言った?」彼が町を見ると、そこには大量の何かがいた。「こいつらはいったい…」忍座先生はポカーンと眺めていた。
「僕の友、妖怪たちだよ」その中には空中を飛んでいるものや、軽々と家を持ち上げているものもいた。「が…あ、あ、ぁ…」忍座先生はその状況をただ眺めているだけだった。「?」府氏橋からしてはこれが普通のことなのか、首をかしげていた。「何かおかしかったか?」その言葉に彼は強く突っ込みを入れた。「いやいやいや、まさかこんなものがこの世に放たれているとはね、驚いただけだよ」忍座先生はもう驚くことをあきらめたように見えた。
「「…」」忍差と金木は2人の会話を交互に見つめていた。何一言言わずに。もう2人には驚くという感情がないのだろうか、それともそこまで興味がないのか。
「というわけでこいつらと一緒にこのロボットを生み底まで落とそうと思う。僕はそれが一番いい選択だと思うね。空高く吹っ飛ばすという方法もあるけど…そこに飛行機でも来たら考えただけでゾッとする」忍座先生は考えてから答えを出した。「その方法、気に入った。やろうじゃないか」
府氏橋は近くにいた妖怪を集めた。「しかしな、今まで目に見えなかっただけでこんな生き物がこの世に存在していたとは、驚きだ」忍座先生はため息をついてからロボットの方向へ歩き始めた。「それじゃあこのロボットを海まで運搬するぞ」彼は裾をめくり、ロボットを両手で持った。「思ったより重かった」彼は力任せに上へ飛ばすと落ちてきたロボットを両手で受け止めた。「それじゃあ持っていくよ」府氏橋の合図に合わせて皆はロボットを持ち上げ、一番近い日本海めがけて歩き始めた。「よいコラショっと」府氏橋は頭を持った。「重いな、頭脳の奥まで鉄でつくられているのか?」彼は頭をたたいてみた。
ガンガンガン 鉄はいい音を出し、頭を揺らした。「まあそりゃそうか、これもすべて機械からつくられているのだから。しかし不思議だ…まあもう済むことだしどうでもいいことか」彼はそのまま前に進み始めた。
「それじゃあ行くぞ、3、2、1、投げ入れろ!」皆が一気に飛ばしたせいでロボットは空高く吹っ飛んでしまった。「まあこんなもんでしょ」
ドボーン!




