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「一日でボロボロにするには自分でやらないといけないけど自分ではやりたくない。誰かにやらしてできなくて明日になったとする、そういう時にはプランBを実行する」小四郎がそういった途端、壁が壊れた。「見つかったか!」小四郎と他のものは構えをとった。しかし、そこに見えたのは不思議な人間だった。いや、人間なのかもわからない。
「ここでもないか」その男はそういい、どこかに行こうとした。「ちょっと待った」男の後ろで誰かが声を張り上げた。「ん?」男が後ろを見ると、小四郎が立っていた。
「ここの壁を壊して見逃すとでも思ったか?」男はああ、という顔をしたが、気にせずまたどこかに行こうとした。「おい!」もう一度小四郎は子を張り上げ、男の視線を取り寄せた。「お前、何者だ」小四郎は波は分からないが、力の強さを感じ取ることは何年もの争いで分かるようになっている。しかし、彼からしては「無意識に習得した」ということらしい。
「俺か?俺は詩愚弄、単なるどこかの星から来た無人間(人間ではない人間)だ」そういった後、どこかに行こうとした。だが、行かずにくるりと回り、壊れた壁から中に入った。小四郎に少し興味を示したらしい。「それで、用はいったい何だ?」そう聞かれ、小四郎の体は寒気を感じた。不思議な寒気を。
俺が怖がっているのか!?この俺が… 小四郎は体の中から声を押し上げて答えた。「ああ、少し…そこに座ってくれ」そこにあった椅子を指さした。腕ががくがくと震えている野が分かる。
「よっこらしょっと」のんきに詩愚弄は椅子に座り、血のように赤く光っている目で小四郎を見た。「それでは聞こうか。お前の名前は何だ?」詩愚弄は小四郎を見た。
一息深く吐くと、緊張感をあるもので上回った。「馬凪小四郎だ」冷静に答え、小四郎も椅子に座った。「小四郎か、よろしく頼む」詩愚弄は握手をしようと手を差し出した。だが、小四郎が受けたものは普通の握手ではなく、手をお思いっきり握られるものだった。
詩愚弄の握りしめられた手はジンジンと痛い。鍛えられた手なのに、相手は何事もなく痛みを感じさせた。
「そして、そっちは何をしていたんだ?」片方の手首を抑えながら聞いた。「俺か?俺は貝日小学校っつう小学校を探しててな。しかしもしもできるなら誰かと力比べをしてみたいな」そう聞かれ、小四郎はあることを考えた。「それなら一人いるぞ。名前はサラリー殺し、それはあだ名だがな。そいつは俺でも勇逸危険に感じた人間だ」
「お前、そいつを俺に押し付けて自分の仕事を邪魔されないようにしようとしているだろ」詩愚弄の感は鋭かった。簡単に小四郎が考えていたことを見抜いた。「だが…まあ、そこまで強いなら試してみようじゃないか。だがもしも違ったらただではすまないからな」そう言い残し、詩愚弄の姿が消えた。
「本当に、あいつは何者なんだ」
「…」サラリー殺し、ある場所にいた。誰一人知らない、ある場所に。「何だろうか、この気持ちは」サラリー殺しは立ち上がり、外に出た。
「殺される気がする」全く怖がっていない。あるいはその真反対だった。楽しみなのだ。まるで殺されたいような。




