表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

第1話:朝の仕事

「そうね」

お嬢様は、紅茶に手を伸ばす。

ほら。そう言って、この方はまた自分の事をしようとしないんだ。










「詩紅羅お嬢様!起きて下さい。もう6時ですよ」

皆様初めまして。私、珀思(はくし) 祢音(ねおん)と申します。

身長・体重は詳しいことはお教えしません。でも結構標準なのです。


身長:140センチ台 体重:25〜35キログラム


一応、お教えしておくようにとお嬢様から言われました。

あ、お嬢様というのはそこでスヤスヤと眠っておられるお方の事です。

町茶(ていさ) 詩紅羅(しくら)

町茶一家の主である詩紅羅様は、16才という若さで町茶呉服店を、わずか3年で全国に広げた大企業家なのです。

さてさて、そろそろお嬢様を起こさなくてはいけませんね。

詳しい事は後に分かるでしょう・・・。


「詩紅羅お嬢様、紅茶が冷めてしまっても良いのですか?」

「やだ!!冷めちゃダメ!今起きるから冷めないで!」

お嬢様は勢い良く、布団から(ようやく)出てきた。

その衝撃で、腕をおもいっきりベッドの柵にぶつけたらしい。

本当に、この方はこう言わないと布団から起きて来ないということを、改めて思った。

「大丈夫ですよ。そんなに早く冷める紅茶など、お出ししません」

お嬢様は少し落ち着くような感じでうん、といった。

私はお嬢様のこの優しい声が好きだ。


淡いピンクの髪、透き通るような白い肌

亜麻色の優しい眼、聞くもの全てが聞き入ってしまうようなそんな声

そして・・・・

「この香り…。今日はアールグレイね」


決め手はこのふわっとした優しく可愛い笑顔。

詩紅羅お嬢様、その笑顔皆様に向けてきて下さい。きっとイチコロですから。

「正解です、お嬢様。朝食の準備はもう出来ております。付け合わせはどうされますか?」

「うーん、どうしよっかな。じゃあサラダでいいや」

「かしこまりました」

「あ!トマトいっぱいだよ!!いっぱい入れてね!?」

トマト・・・。今の時期あまり取れないのですが。どうしましょう。

「なによその目〜、・・・祢音なら、出来無くないでしょ?」

お嬢様は悪戯をした子供みたいに、笑った。

出来ない訳じゃない。トマトくらい簡単だ。だけど、この力は

コ の 血 カラ は ・・・


「・・・はい」

はぁ、本当にもう。この方は無理な注文ばかりしてくるんですから。

とりあえず、お嬢様が着替えるように促さなくては。

「お嬢様、早くお着替え下さい。そうしないと私、サラダ作れません」

「えー。めんどくさい」

あっさり言われたー。だ、大丈夫!私なら出来ます!!

「で、では!私がお洋服を選ぶので、それを着るというの「それはイヤ」」

・・・一回殴って良いかな?


って、ああ!!すみません皆様、私なんか変なこと思ってしまって。おほほほほほほほ。


さて、詩紅羅お嬢様を着替えるように促さなくては。というか、ここまで来たら強行手段!!

お嬢様の位置!ベッド!着替えの服!持った!そしたら、ゴォオ!!

「お嬢様!新しく新調したお洋服です。これなら着て頂けますか」

「はぁ。祢音、あなた何も分かってないのね」

お嬢様は呆れたような声で言った。

「祢音はセンス良いから、祢音の選んだヤツ。着ても良いのよ」

じゃあ何でイヤって言ったんスか。でも

「そう言って下さるとは、とても光栄です。ありがとうございます」

うん、こっちこそと、お嬢様は言った。

えーとそしたら何についてイヤって言ったんだ?

「あたしはね、洋服じゃなく和服が着たいの」

「あー、そうゆう事ですか。失礼しました。では、和服をお持ち致しますね」

和服。そりゃそうだ。だって詩紅羅お嬢様は町茶呉服店の社長なんだから。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ