表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陽元日記  作者: サツマイモ
無戦姫の一生
PR
59/99

58日目:しんてん

「は、はい!」

思い切って手を挙げてみましたが、今考えると私って相当馬鹿でしたね。まあ、この行為も相当馬鹿なんでしょうけど、でも、一言会話に参加してみたいなと思った次第であります!


「ん?どしたの?」

「つ、つまり!しずさんがいいたいのは、もっと、じゆうにってことですか?やりたいことを、やりたいぶんだけやるってことですか?」


「そうそう。大体そんな感じ。わざわざ、大人に従わんくてもええやろがいってことよ。こっそり反抗することが、何よりの楽しみじゃないか!そういう時が、一番成長してると、私は思うけどね。まあ、個人の意見だよ。以上、ご清聴ありがとうございました」


「まあ、言い分は分かった。でも、一応お前には校則というものの縛りがある。親には、憲法的に縛りがある。それは、ちゃんと守れよ」

「すみません」

「はやっ!」


余りにも早すぎて、思わずツッコミを入れてしまいました。なんだか、やっぱりこの二人は仲が良いみたいですね。


「とかいって、ちゃっかり次の授業も休もうとしているじゃないか」

「だって、面倒じゃないですか」

「駄目だ。行ってこい。次の授業は、確か国語なんじゃないか?」

「さすが担任。そういう真面目なところ、好きだぞ」

「先生を馬鹿にするんじゃない」

「あ、頬真っ赤じゃん」

「そんなわけねえだろ!あと2分だから、早く行ってこい」


「はいはい」

軽い足取りで教室の外へと出ていきました。スキップでもしそうな、鼻歌でも歌いそうな、元気いっぱい明るい笑顔で、彼女はクラスへと向かいました。

話せたことが、そんなに楽しかったのですね。


「ったく」

「あのかたは、すごいですね。しょうせつかさんなんですってね」

「え、あいつそんな事言ってたの?」

「ちがうんですか?」

「……あいつ、とうとう嘘まで平気でつけるようになっちゃったんだなぁ。ちゃんと指導しないとな」


「しょうせつかさんじゃ、ないんですか?」

「違うんだよ。あいつは、確かに読書家だけど、文章も上手いけど、でも作家じゃないよ。彼女は、……これは言わない方が良いか」

切り替えて、彼は質問をしてきました。


「そういや、君は何歳なんだい?」

「わたしですか?13です」

あ、それは元の世界の年齢でした。今の見た目だと、齟齬が生まれてしまいます。


「ほー、じゃあ中一か。で、その見た目ってことは…、さては」

そういう言い方されると、俄然気になってしまいますが、ここはスルーということで。


「とりあえず、まずは君のことだな。最後に両親と会ったのはいつ?」

「くるまのなか、です」

「……へえ、なるほど。じゃあ、その時、ご両親はどんな格好をしていたの?」

「……すみません。おぼえていないです。もえちゃってたから」

「そうか……、って、へ?燃えてた?」

私は、黙ってうなずきました。


急に彼の瞳孔が揺れ動き始めました。何でしょうか、こちらも気になります。


「ねえ、車の中って、どうなっていた?」

「なんか、いつもとちがうみたいな」

「……マジかよ、おい」

彼は、両手を顔につけ、天井を見上げました。


……へ?どうしてでしょうか。


「さなちゃん、落ち着いて聞いてくれるかな」

そう言って、彼は私の両肩に両手を乗せました。

「…、いやダメだ。さなちゃん、必ず、見つけようね」

意気込まれると、余計に気になります。


「心当たりは、あるんだ」

「くわしく、きいてもいいですか?」


「君がどういう状況になったのかは、分からないけれど、どうしてこういう状況になったかは、見当がつくってことだよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ