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▼俺こと勇者は呪われている。  作者: 猫まんま
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俺こと勇者はクエストを行うようです。

完全オリジナルを考えようとするとすごく難しいですね。


「ほうほう、ではあなたは勇者としてこの世界に召喚された訳ですね。」


隠すこともないので、この美少女に全てを話した。最初は到底信じられないって表情をしていたけど、

だんだんと納得したって表情に変わっていった。今では理解してくれたみたいだ。

そう言えば、ここはどこなんだろうか?駆け出し冒険者の街に転移させられたはずだけど。


「ここは、元魔王領にある唯一の街ですよ。

駆け出しの冒険者なんてこんなところに来たら瞬殺されますよ」


あるぇ?おっかしいな〜?いきなり絶体絶命?


「というのは冗談です。遥か昔はそんな場所だったらしいですけど、今はただ平和な街ですよ」


この美少女め…しゃれにならん冗談を言いやがって。危うく引きこもりになろうかなっと思ったじゃねぇか。

こちとら村の兵士レベルっていう雑魚ステータスだぞ。


「そ、そんなに怒らないで下さいよ。でもおかしいですね」


おかしいとな?


「はい。魔王なんてもうかれこれ3000年ほど現れてないですよ」


確かにそれはおかしい。じゃあ、なんで勇者なんて呼んだんだろうか。まぁ、いいか。

それならのんびりと過ごすことができそうだし。転移に不備があってこんな辺境な地に飛ばされたんだ。

俺を探すことは困難だろうし。


「じゃあ、当分この街で過ごすのですか?ならこの街のギルドで活動するといいですよ。」


「マジで?この街にもギルドがあるのかよ」


「はい、ただ王国のギルドではなく、この街で作られたギルドなんで再登録をお願いしてもいいですか?

ギルドカードがあればそれを上書きできますが」


じゃあ、お願いするよと美少女の後ろに付いて行き、ギルド【ユースティア】にたどり着いた。

すごく異世界って感じのギルドです。王国本部のギルドのとは全然違う。

上書きが終わり、美少女ともにギルドの食堂の椅子でくつろいでいる。


「そうだ名乗り忘れていたね。私の名前はマオって言います。剣も人並みに扱えるけど、

魔法使いをやっているよ。よろしくね」


「俺は浅間勇次だ。こちらこそよろしく」


美少女もといマオは可愛らしく笑う。

マオもパーティーを募集していたようで初心者の俺を快くパーティーにいれてくれた。

これは役得。役得。


この後はマオからギルドの仕組みを詳しく教えてもらい、俺は思った。


「今日の分の宿屋代が無い」


さすがにマオから借りるのは男して情けないので、クエストを受けることにした。

初心者にもできそうなクエストをマオに選んでもらった。


「これとかいいんじゃないかな?」


マオから見せられたクエスト内容を確認してみると、

『シャドードラゴン討伐。腕の立つ者集え!』

ふむふむなるほど。却下だ。


「ですよね〜」


こ、こいつ。いくら美少女でも…可愛いから許す。

本当はこっちだからと次のものを見せられる。

『ゴブリン討伐。雑魚いよ。すごく雑魚いよ。』

なんだろう。すごく可哀想な説明文だ。


「よし、これで行ってみよう。そう言えば、俺って装備とか無いけどこのままでいいのか?」


「良いんじゃ無い?なんなら私のお古の剣貸してあげるし」


剣を買うお金も無いので、さすがにマオから借りることにした。

なんかすごく禍々しいのだけども。


「じゃあ、しゅっぱーつ!」


「お、おぉー」


マオと共に、ゴブリンが生息している草原まで歩くことにした。

なんだか興奮するな。初めての異世界でのクエストだ。心踊らない訳が無い。

そう、興奮する。なんだか背中が熱くなってきた。てか、熱い。


「いっきますよー!『ファイアー』」


マオが魔法を唱えると、目の前に集まっていたゴブリンが一掃される。

この光景まさに異世界。最高だ。

俺はそれ負けないように、剣を振るう。しかし、そこは日本で平和ボケしている。

しかも学生だった俺は力なんてある訳もなくゴブリンに弾き飛ばされる。

それでもなんとか隙を突いて1体1体倒していく。

なんだか、ゴブリンを倒すたびに背中が熱くなるのは気のせいだろうか。


「そろそろ疲れただろうし、一旦休憩しようかー!」


マオはそう俺に言う。確かに動き続けてすごく疲れた。俺は近くにあった岩に座り込んだ。

マオもマオで岩に座っている。


「ユウジも凄いね。あんなに動けるなんて。ステータスが雑魚なのに凄いね!」


なんだろう褒められている気がしないのだけど。

まぁ、いいや。ともかく疲れた。はぁ…とため息を吐いていると。


「ユウジなんかおじさんくさいよ。若いんだからもっとはっちゃけないとね」


そう言っても疲れたもんは疲れたし。喋る気力すらないや。


「む〜、あ、そうだ。知ってる?って聞いても知らないか。この草原にはね出るのよ。」


出るって…幽霊系のモンスターがかな?


「えーとね。女冒険者ばっかり狙うようなモンスターでね。

女冒険者を見かけると、自分の体液をかけてくる奴がね」


それは興味深い。よくある衣服だけを溶かすスライムとかの系列だろう。最高じゃねえか。

しかも前にマオは美少女。マオがそんな状況にならないかな?


「それは鶏のような姿をしていて、尻尾が蛇になっているのよ」


え?「まぁ、滅多に出てこないけどね」と付け加えるマオの後ろには、件のモンスターがいた。


「おい、マオ。後ろにいる奴がそうなのか?」


「え?」


とマオが後ろに振り向くと、クエーと言ってマオに唾液をぶっかける。

離れていても生臭い匂いがするから、当事者のマオからしたら最悪だろうな。

マオは無表情のまま、手に持っている杖を掲げ、『ファイアー』を何度も唱えて鶏を焼き尽くす。

焼き尽くしたマオは、ゆっくりとこちらを向き、涙目になりながら近寄ってくる。すごく臭い。


「あ、あれはコカトリスって言ってね。あの、その…」


うつむきながら言うマオに俺は肩に手を置き言った。

てか、びちょって言った。


「帰ろう。ゴブリンは一応定数は倒してあるから、宿屋代は入るだろうし」


「うん」


帰投中も何度かコカトリスに襲われ、何度も体液を浴びる羽目になった。

こうして俺たちの最初のクエストはクリアはしたが、なんとも締まらない最後を迎えた。


転移の不備といい、この件といい。

俺は呪われているのか?

こんな拙い文章ですが、なんとか頑張っていきます。

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