第四話 俺、チンピラと闘う
「何だとコラァ」
「テメェ、なめとんのかぁ?」
「あぁん?あぁん?」
「もう一回言ってみろや」
カリの言った一言で周りにいたチンピラほぼ全てに喧嘩を売った形になってしまった。
「ああ、何度でも言ってやる。俺の道を開けろ‼ 豚の餌以下の存在共よ」
カリはチンピラの頼みを聞いてやった。
するとチンピラは激高し、拳を振り上げて叫んだ。
「みんな、やっちまえぇぇぇぇぇ」
「「「ウォー」」」
その光景を見たカリはガッカリしていた。
これが現在のこの国の状態なのだと。
そしてこのチンピラ共には大和魂が無い事に。
「はぁ、仕方がない。これもゲームの為だ」
カリはそう言うとリュックサックから目覚まし用のアメを一つ取出し自分の口に放り込んだ。
「ふぅ、少しは視界が明るくなった」
カリは斜め上から迫りくる拳を華麗に交わすとチンピラ(カリの腹を殴った奴)の喉仏を掴み押し込んだ。
チンピラは喉を抑えて悶え苦しみながら小さくなって行った。
しかし、これで終わらないのがチンピラのダルいところである。次から次へと襲ってくる。
カリは人間の急所を全て覚えているのでそこに向かってダメージを与え一撃で次々とチンピラ倒して行った。
すると一人のチンピラが折り畳み式のナイフを取り出してカリの目の前に立った。
「おい、テメェ。調子に乗ってんじゃねぇぞ」
そのチンピラはナイフを振りかざして攻撃をして来た。
しかし、それは最早無意味な行動、もっと考えて行動すべき事だった。
ナイフを振りかざすと胴体がフリーになる。
即ち、腹を攻撃すればいいのだ。
カリは全力で足を溝にブチ込んだ。
「うぅあぅぅ」
チンピラは言葉になっていない声を上げてそこに倒れこんだ。
「よし、片付いた様だな」
カリの周りにいたチンピラは一人残らず地に伏せていた。
カリは近くにあったゴミ捨て場にチンピラとバイクを捨ててチンピラの持っていた油性のマジックで顔に落書きをし、ゲームショップに向かって歩き出した。