第三話 俺、チンピラに絡まれる
コンビニから出るとそこは地獄だった。
駐車場だった場所にはチンピラの掃き溜めとなっており、ゴミ箱にはテンションが高い馬鹿が朝礼台代わりに上に立ちデカイ声で叫んでいた。
また、白線は虹色に代わっており、原形を留めないほどに改造された趣味の悪いバイクがそこらに止まっていた。
カリは何も言わずに通り越そうとするとチンピラが四方八方から集まりカリを囲んだ。
「残念だったな。ここから先は360°全てが通行止めだよ」
「通りたければ……いや、痛い思いをしたくなければ有り金、全部だしな」
「あぁん?こっちは忙しいんだよゥ、早くそのリュックサックから金出せって言ってんだよ。きこえねぇのか?あぁん」
「テメェ、障害者か?」
「病院送りにされたくなければ早く金を出せよ」
カリは思っていた。
目障り、耳障りだ糞生意気の豚の餌共が……。
カリは短気ではない。
しかしこればかりは譲れなかった。
こんなところで、躓いていたら開拓など夢のまた夢。
そんな思いがカリの心の中に芽吹いていたからである。
「邪魔だ。どけ」
カリがボソッと言い放った声は小さく周りのチンピラにはあまり届かなかった。
しかし、何を言ったかは分からなくても何かを言った事に関して気付くチンピラもいた。
「あぁん?きこえねぇなあ……もっと腹から声出せよ、腹からなぁ」
そう言うとチンピラはカリの腹を殴った。
一般人ならば腹を押さえて縮こまったり、場合によっては、おもらしをしてしまう一撃の筈なのにカリは何も感じない様な表情を浮かべて立っていた。
「聞こえないのなら言ってやろう。耳かっぽじってよく聞け。貴様らの様な人間のクズ、豚の餌以下の存在が俺の通行を邪魔するな。道を開けろと言っているのだ」
カリは堂々と叫んだ。
自分が百獣の王、神である様に無能共でも分かる様に叫んだ。




