きまぐれ覇王8話
屋敷の門前でカグヤは翁達を呼び出すことにした。
「翁それに連なる者」
右手を前に出し呟くと一瞬光った後に独特の民族衣装だが一見して一級品だと解る衣装を纏った高齢のお爺さんとよく似た服装をした老若男女の十数人が現れた。
その者達はカグヤに気づくと跪いて礼をした。
「カグヤ様、お呼び頂けるのを家臣一同、一日千秋の思いでお待ちしておりました。ここに居る者は皆、カグヤ様の身の回りの世話ができるように修練を積んだ者達であります」
「めんどくせえ挨拶はいらん、それよりその屋敷が今日から俺の家だ、屋敷の間取りを憶えて仕事をさせろ、この国で使える金銭は翁のアイテムボックスに入れておいた、必要な物は買い揃えろ」
「はっ!それではしばらく自発的に行動させていただきます!・・・・・開門!」
体格の良い男2人が左右にわかれ門を開く。
「ではカグヤ様は中でごゆっくり体をお休めしてください、その間に私達は近辺の情報収集等を行いたいと思います」
「好きにしろ、俺はしばらく寝る」
カグヤは奥の部屋で昼寝をする事にした、和風の屋敷だがカグヤの寝床はベッドである。
「んじゃわいもちょっくら寝るかな~」
カグヤに続こうとしたカムイのしっぽを翁が掴んだ。
「カムイ、貴様は皆の手伝いをせんか!」
「え~・・・わいの役目ってかぐやんの警護やん?そばにいてなあかんやろ?」
「貴様は何度言ってもカグヤ様への言葉を改めんな・・・まぁいい警護と言ったな、では貴様はカグヤ様の身を守ってると言う事か?」
「・・・それはその~・・・かぐやん無敵やし?わいの方が守ってもらう方やし?」
「つまり貴様は役立たずと言う事だ!」
「そこまで言わんでもええんとちゃうん!?これでもかぐやんが暴れる前に止めてるつもりやで!?」
「・・・・・・・まぁそれだけは評価してやろう」
「そいやジジイはこの国の情報持っとんの?わいが持ってる情報やろか?ドヤァ」
「ここはテイルズ国の街ルーン、比較的平和な街で善政を敷いてる国だと聞いている」
「・・・・・さすがやな、でも対外的な情報だけやったらあてにならんで?ここの領主の評判は最悪や、ここで幅利かせたら口出ししてきそうな感じやなぁ」
「カグヤ様に害が及ぶ時はこの国の王に命じてその領主を殺処分する、何の問題も無い」
「この国のトップと面識あったんか?」
「無い、だが命令を拒否した場合は滅ぼすだけの話だ、カグヤ様を害する国など滅びるのが当然であろう?」
「は~~~~~~・・・・なまじ本当に実行できるだけの戦力があるのが厄介やなぁ・・・」
「まぁ儂はカグヤ様のご機嫌さえ宜しければこの国が栄えようが滅びようがかまわんがな」
かぐやんは基本、邪魔即殺やしジジイは害即殺・・・家臣の奴らもかぐやんが絡むとヤバイしな~、平和主義の仲間がほしいなぁ・・・。




