きまぐれ覇王6話
カムイが治療を始めた頃、散策を続けたカグヤは大きな建物の前にいた、物件を手に入れる為に来た商人ギルドだ。
内開きのドアを蹴り開けてカグヤは受付窓口まで進んだ、受付嬢は登場の仕方と服装の派手さにしばし固まっていたがすぐに営業スマイルで接客を始めた。
「いらっしゃいませ、ご来店いただきありがとうございます、今回はどn」
「土地が欲しい」
最後まで聞かず用件だけを口にするカグヤ。
「・・・希望する土地の大きさや場所、予算の方をお聞かせいただいてよろしいでしょうか?」
「制限はない、売れる土地の情報を出せ」
「・・・かしこまりました、しばしお待ちくださいませ」
この態度に上質な衣類、おそらくは貴族、しかも上級かもと判断した受付嬢は上司に報告と交代を申し出た。
「いや~、お待たせして申し訳ありません、私ここの責任者を勤めさせていただいているジャーナルと申します」
スーツ姿に眼鏡をかけたオールバックの優男が現れて、満面の笑顔で話しかけてきた。
「どうでもいい、話を進めろ」
「はい、ではこちらの地図を御覧ください、青い印の付いた場所が販売できる物件でございます」
「ふむ・・・・・なぜ宿屋{またたびの木}の道を挟んだ反対側は軒並み青が付いてるんだ?」
「あ、そこはですね~数年前にとある貴族の方が何かの大型施設を作ろうと住民達を退去させたのですが資金繰りが難しくなったらしく頓挫してしまい、そのままになったそうです」
「なるほどな、まぁわかったこの一画全てをもらおう」
「!!!・・・十数件全てを購入されると?これほどの大金の動く商売となりますと上級貴族の方の連帯保証人が必要になってきますが・・・・可能でございますか?」
「保証人などいらん、この場で一括で支払ってやる、それで問題なかろう?」
「・・・手数料等諸々込みで2億ゴールドはかかりますが、宜しいでしょうか?」
ジャラジャラジャラ!この国、最高の価値を持つミスリル100万G硬貨が200枚受付テーブルの上に積みあがった。
「これでいいのか?」
「失礼します・・・・・間違いなく本物で問題ありません」
どうやらジャーナルの眼鏡には鑑定のスキルが付いているらしい。
「失礼ながらかなり高貴な身の上の方だと思われますが、良ければ身分を伺っても宜しいでしょうか?」
ジャーナルはカグヤが凄まじい財力を持つ貴族、他国の王族かと判断した。
「何者でもねえよ、この街に流れ着いた旅人でカグヤという、それだけだ」
「ははっ!大変失礼いたしました!!」
勿論、ジャーナルはまったく信用していない、お忍びというやつかと考えた。
「カグヤ様、もしこの街で何かなさりたい事や不自由を感じた時はぜひこのジャーナルに任せてください!出来る限りご要望に沿えるよう微力ながら全力で答えさせていただきます!」
「・・・ああ、その時は頼むわ」
全力で媚びてくるジャーナルに適当に返事をしながら手に入れた土地に何を建てるか考えていた。
「ではこちらが権利書になります、これからも商人ギルドをよろしくお願いいたします、お近くになられた際はぜひお立ち寄りを、このジャーナル誠心誠意を持ってお相手させていただきます!」
「じゃあな」
それだけ言うと権利書を受け取って商人ギルドを後にしようとした・・・が何かを思い出したかのように戻ってきた。
「おい、ジャーナル、個人でマジックアイテムを売る商売をするのに何か必要な事はあるか?」
「・・・マジックアイテムですか?少し話が複雑になりますね、普通の商売の販売だけなら商人ギルドだけの許可で問題ないのですがマジックアイテムだと魔術協会に話を通す必要が出てきます。」
「めんどくせえな、こいつで何とかなるか?余った分はお駄賃だ」
ジャラジャラとジャーナルの両手一杯にミスリル硬貨を積み上げた。
「任せてください!たとえご禁制の品物であろうとも認めさせて見せますとも!!」
思わぬ大金の臨時収入にジャーナルは心の中で空を飛びながら踊りまくった。
カグヤが去った後、ジャーナルは上機嫌MAXで商人ギルド職員に宣言した。
「今日は上客と縁を持つ事が出来て大金が入った、皆、今日は無礼講で祝おう!好きなだけ食べて飲んでくれ!代金は全部私持ちだ!」
「ひゅ~、ギルマス格好良い~!」「大富豪が投資にでもきたんですか?」「さすが商人ギルドマスター!金の使い道がわかってるね~」
職員全員が大喜びした、ジャーナルは部下思いのようだ。
さてどんなマジックアイテムショップを作ろうかなと考えながら宿屋{またたびの木}へ帰るカグヤだった。




