きまぐれ覇王1話
初めての投稿で超適当に書いてます。
この世界は広い・・・どこまでも続く大地と海、その果てを見たものはいない。
幾多の生物の中、人間や亜人間、魔族など、町を作り国を興し発展を続けている種族もいる世界だ。
これは人間の国{テイルズ}の街{ルーン}に流れてきた俺様な旅人、カグヤの物語。
ルーンの治安は良い方だろう、魔物に対する備えの為の兵舎だが魔物の襲撃がほぼない日常の為、普段は街で面倒事を起こす犯罪者の相手がほとんどで、街の見回りが主な仕事だ。
レンガ造りの街を兵士姿の男達が2人で愚痴りながら歩いてる。
「あ~めんどくせ~、さっさと巡回終わらせて冷たいビールでも飲みに行こうぜ~」
黒髪の20代前半の男が鎧の重さにうんざりしながらぼやく。
「まあ後少しだ、今日は特に何も起こらなかったし運が良い方だろ、悪さしたやつ捕まえての取調べなんてなったら酒場に行く暇なんぞ無くなるぞ」
同じく20代前半の、こちらは赤髪の男が発破をかけるように答える。
「俺、今日こそエスカちゃんを口説き落としてみせるぜ!」ウシシと気持ち悪い笑いを含みながら早足になる黒髪。
「あの看板娘か、やめとけ、彼女の親父はすっげーヤバイらしいぞ、この前酒に酔った客に彼女が尻触られただけで半殺しって・・・・あれは何だ!?」
街の路地に差し掛かった時、薄暗く狭いその場所に腕や足から血を流しながら呻いている数人の男達を発見した、だれもが薄汚く不潔で人相も悪い、街の悪党共だった。
さらに奥の方にはまったく動かない者達もいる、おそらく死んでいるのだろう。
「こいつら、歩けそうにないな・・・おい、こいつら運ぶ用の荷車と人手呼んで来い」
「ちぃ、俺のビールとエスカちゃんが・・・」
「い~から行け!今度奢ってやるから!」
「わかった、わかりました、ダッシュで兵舎まで戻って他の連中連れてくりゃいいんだろ!」
黒髪に言われ、仕方なさそうに赤髪は走り去った。
「おい、お前ら何があったんだ?治療院連れてってやるから何があったか言え」
痛みで呻いてるスキンヘッドの男に事情を聞こうとするのだが口を濁してはっきりと言おうとしない。
「お前ら、誰かを襲おうとして返り討ちにあったのか?」小悪党に偶にある話を思い出しながら問うた。
「ぐぅ・・・・・小娘が・・・・・小さな鉄の塊みてえなのを俺達に向けて・・・音がしたと思ったら体から血がでてたんだ・・・・あれは銃ってやつじゃねえのか・・・」
「お前たちは全員撃たれてるようだが、城に配備されている銃は連射なんぞできん、そんな銃は聞いた事もないぞ」
この世界の工業技術は精密な技術がいる弾薬は作れず、銃といえるのは鉄の礫を火薬で飛ばす、火縄銃といわれる物のみである。
「自業自得だが一応相手の事情も聞かなくてはいかん、小娘と言ったな?どんなやつだったのか、思い出せるかぎりを言え!」
どんな街にでも貧困層はある、俗に言うスラム街というやつだ。
その匂いが酷く不潔な場所を場違いな格好をした一人の少女が歩いていた。
可愛いというよりは美形、しかし未成年であるだろう幼さを残した顔立ちであり髪は背を隠すようなロングで艶がある、身長は低い、150cm位だろうか、しかし一番目立つのは服装であろう。
正確に彼女の服装を説明すると、まず下着の類は着けていない、黒のスクール水着の上にカンフーズボンとシューズというかなり身軽な服装だ。
そして最後に黒の着流しを羽織っているのだがその着物がもの凄く派手なのである。
自身の黒髪に負けないほど艶のある黒の下地に目も眩むような黄金の模様、夜空に雷が走っているような派手な服装だ。
「さて、何をして暇をつぶそうか・・・・?」
そう呟きながら普通の人なら危機感を覚えるような不気味な路地裏を自宅の廊下を歩くが如く警戒心の無い様子でのんびりと歩く。
「うむ、まずは衣食住の住、住む場所を手に入れるか、アトリエというのもいいな」
自身の特殊能力で土地の売買を取り仕切る組合{商人ギルド}の場所を特定し、その場所に向かおうと歩を進めた所、前を立ちふさがるようにスキンヘッドの男が現れ声をかけてきた。
「お嬢さん、ここはあんたのようなお嬢様が来るような場所じゃありやせんが何か御用ですかい?こうみえても俺、いえ私はここらを仕切ってるので役に立つと思いますぜ」
「ただの通りすがりだ、身分もない旅人だから気にするな、じゃあな」
慣れてなさそうな言葉を使うスキンヘッドの横を軽やかに通り過ぎようとしたところ、スキンヘッドが肩に手を話を続けてきた。
「それなら街を案内してやるよ、お連れさんがいたら一緒に案内するけど、どうだ?」
「いらん、それに俺は一人だ」
見かけとは違う乱暴な言葉遣いにスキンヘッドは妙な予感を感じたが、知りたい情報を手に入れた今、機会を逃すのは惜しいと思い、自分の直感を無視した。
「おい、でてこい!野郎共!こいつぁただの獲物だ!こいつは高く売れる!しばらくは良い思いができるぜ!」
今この場に少女に後ろ盾も保護者もいないと判断したスキンヘッドはどこかの世間知らずのお嬢さんが家出でもしてきたかと考えた、それならば問題ない、売り飛ばした後はどうとでもなる。
ぞろぞろと髭面で不潔っぽい男達が現れた。
「うぉ、こりゃ上玉だなぁ、売る前に遊んでもいいんだろ?」「価値が下がるから駄目だと言いたい所だが・・・売るのが勿体無い位だ、壊れない程度に遊んでから売るとするか」「今回は俺に先にやらせてくれよ」「こいつなら奴隷商人じゃなくて上級貴族に直接高値で売れるんじゃねえか?」
口々に好きな事を喋りはじめ、楽しい未来を頭に描いていた。
この街には四季がある、今は夏で日陰である路地裏もジリジリとした暑さで汗が浮かんでくる、なのに一瞬極寒の中に放り込まれたような気がした。
「どけ、邪魔するなら殺すぞ」
一切の感情を感じさせない声色で少女が放った一言は少しの間ではあるが全員を硬直させた。
満足いただけないのは解っています、不愉快に感じられましたら書くのを辞めますので批判を受けるその時までは書こうと思います。