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風呂場 後編

 ――まず、考えることがある。

 男っていうのは普通赤の他人と平然と混浴などできる状況ではない。

 ならば、なぜ――

(この俺はこんな状況になっている)

 潔く、サクヤ・イカヤという彼女に強引に推し進められ混浴をする羽目になった優騎。

 人生でそんな経験などしたことはない。

 彼女いない歴=年齢の引きこもり男。

 そんなDTに混浴などという男のあこがれの経験があろうはずはなかった。

 初体験の過酷な状況。

 本能的意味で――

「おい、どうした? 体を洗わんのか?」

 隣できれいなプロポーションを持った体を大胆に見せびらかし、なまめかしい感じで濡らす黒髪を肩から垂らしながら彼女が振り向く。

 絶対に美人の部類に入る彼女の全裸姿。

 エロい具合に胸の突起部をシャンプーが覆い隠し股先をもかくしていた。

 鎖骨にきらめく水滴が目に入りごくりと生唾を飲み込む。

 無心を装いながらいてもさすがに声をかけられると無心は解けた。

「あ、ああららうぞ」

「なんだか変なしゃべりになってるが具合悪いのか?」

「そそんなことねえさ」

 なぜ、この女は平然と隣で体を洗えるのだろうかという疑問が浮かぶ。

 彼女はタオルでこの風呂に入った時から一切隠そうとはしない。

 こちらだけ局部を隠してる姿が恥ずかしいくらいだった。

 今の状況だと局部を負うタオルを外さなければ体を洗えない。

「変な奴だ」

 一気にタオルを外し決意を胸に興奮しないように無心を再度。

 シャンプーボトルを押してシャンプーを出す際にふいに視線は鏡に映った。

 いたってありきたりな温泉の雰囲気の環境であるこの風呂場。

 優騎が座る場所は壁伝いに作られた洗い場。

 バスチェアと風呂桶が一緒になって鏡の前に設置された一つ。

 台座にはしっかりとシャンプーがすべて取り揃えられてる。

 鏡に映りこんだ自分を見て優騎は「え」と声を思わず上げていた。

「どうしたんだ?」

「ここにまたステータスが」

「すてーたす? 意味の分からないことを申しますねユウキ殿は。私には何も見えませんよ」

 彼女の言葉を聞いて優騎は信じられず二度三度と鏡を何度も確認した。

 しっかりとステータスがそこにはあった。

 ユウキ HolyKnight Lv.1

 攻撃 10

 防御 10

 対魔法 10

 対物 10

 体力 10

 器用さ 20

 速さ 10

 才能 20000


 スキル 天武の才能


 あの王女様を助けた時に鏡を見た時と同一のステータス。

 自分のステータスなのは予想がつく。

 しかし、そのステータスは一つだけじゃない。

 隣にわずかに体の切れはしが映り込むサクヤ・イカヤのステータスもあった。


 サクヤ HolyKnight Lv.89

 攻撃 87999

 防御 78885

 対魔法 75655

 対物 58875

 体力 97988

 器用さ 52000

 速さ 75000

 才能 65000


 スキル 絢爛宴舞


 これが強いのか弱いのかはレベルを見ればわかった。

 はっきりと強いだろう。

 確かにあの動きをみた優騎にもわかっていた。

 彼女は規格外だろうことは。

 ステータスに関してもその証明が出ていた。

 しかし、器用性や対物、速さが弱点と見えた。

 最高値に関してもこのステータスを見て理解する。

(このステータスの表示はやはり『KNIGHTOFSEVEN』と同じだ。だとすれば、最高値は99999がそうであり、俺の数字は初期だ。でも、あのゲームはステータスがものをいうゲームじゃない)

 そう、あのゲームはステータスがものうぃうゲームでない。

 キャラの活用性、いわば操作や知略をいかすことが重要なゲームで運要素も十分いないとクエストをクリアーできないゲームだった。

 むろんステータスがものをいう場面は戦闘では多くあるが弱者が強者を倒せる場面も多くあった。

 今回、優騎がこのステータス通りで勝利をしたとするならば、運が良かっただけに過ぎない。

(運がよかったんだな。だったら、あの世界は‥‥)

 身体を洗いながら記憶に思い浮かぶのはサクヤと戦っていた時やあの柄の悪い男たちと戦った時に見えたスローモーションの世界。

 まるで、動きを視認でき対処できる。

 別次元に自分がいるような感覚。

(しかも、ステータスが見えないサクヤ。これは俺にしかこの世界では見えないということなのか? 彼女がそんな嘘をつくメリットなんてないし)

 そうこう考えながら頭にシャンプーをつけ、髪を洗い出す。

 その時だった。せにやわっこい肌の感触を感じて「ひゃい」と甲高い声を上げた。

「おおっ、なるほど。こんな体つきを男はしてるのか」

「えっと、サクヤさん何をしてるので?」

 シャンプーが目に入ってなかなか開くことができずとも背後からの声で背にサクヤが触れたことに気づいた。

「サクヤ様ー、私もいいですかー。男の人の体を見るのって初めてで私も興味ありますー」

「ちょっ――」

 もう一名が肌に触れた。

 こんどは後ろから抱き着くように胸板をさわってくる。

 何このセクハラ状態!

「いい加減にやめろって! さすがにいろいろ当たってる!」

 背後から抱き着かれる形であればあきらかに触れる胸。

 ユリアのやわらかいマシュマロのように柔らかい巨乳の弾力が背に伝わってくる。

 男としての本能が暴走しそうだった。

「いろいろとまずいから勘弁を」

 返事は来ず、息遣いが荒く触りまくってくる。

「すまん。なんだか妙に体が熱くてもっと触らせてくれないか」

「私もですー。なんですかこの気持ち―」

 それはいろいろとまずいと感じる。

 じょじょにユリアの手が下腹部を這い出してきた。

 急ぎシャワーの取っ手を回し水が流れ出した。

「うっ――なにをするんだユウキ殿!」

「冷たいです-」

 冷水を体に巻き込まれるように振りかぶった二人は離れてすぐに浴槽へ向かった。

「一体全体突然体を触るって何だ! 何がしたいんだ!」

「いや、貴様のことを知りたいと思ってな。あの強さを見て体に何か秘密があるのかと思った次第だ」

「そんなことで体をまさぐらないでくれ」

 タオルで局部を隠しながら椅子から立ち上がる。

 そのまま浴槽へ優騎も浸かり対面するようにサクヤと向かい合う。

「ユウキ殿は本当はここに来る前はどこで何をしていたのだ? 聞いた話だと無職だというがあの動きはそうとは思えない」

「‥‥買いかぶりすぎだっての。無職だよ実際に」

「本当なのか?」

「本当だって」

「私もそうとは思えませんですー。だってあの有名な傭兵『グラッグス』を倒したそうじゃないですかですー。そんな人が無職ですー?」

 あくまで疑ってかかる二人の目線。

 でも、本当に無職なんだから仕方がない。

「聞いた話だと『とうきょう』だとかいうところから来たらしいな。さぞ、貴様のような優れた騎士がおるのだろうな」

「すぐれたって‥‥」

 騎士なんて存在していないなどいえない。

 サクヤたちが自分を過大評価しすぎてるのはさすがにまいってしまう。

 あとあと面倒なことになりかねない。

「俺はただの無職の迷い人で勝手な横暴で王女様に聖騎士にされた哀れな男ってところだ」

「なんだそれ?」

 サクヤが小首をかしげる。

 疑問に感じるのはこちらもそうだった。

「さて、俺は上がる」

「まぁ、待て申すこしユウキ殿のことを聞かせてもらいたい。貴殿のつよさは並大抵でつくものじゃないはずだ」

「話すことはもうねえよ」

 強引に締めをくくって浴槽から上がろうとした時だった強引い彼女が手を引いた。

 バランスを崩した優騎は水しぶきを上げて湯船に沈む。

「うわっぷなにをする――」

 手刀が首筋に突き付けられる。

 頭上には逃げ道を奪うようにサクヤの専属メイド、ユリアが見下ろした。

 二人の裸体が隅々まで見られ固まってしまう。

 じょじょに下半身に血流が集中する。

「頑としてでも話を――ひゃん! なんだ股に固いものが‥‥」

 ちょうど彼女は優騎をまたぐ形で立っていた。

 もう、限界になった優騎の一部が反応を示せば必然的に当たるのはやむえない。

「これはいったいなんだ? これが勝利の秘密?」

 男を本当に知らない彼女がおもむろに優騎のそこをつかむ。

「うぐっ」

「悲鳴を上げるほどの貴様のじゃくて何なのかここは?」

「ちょっと、サクヤさん! あんまり刺激しないで! 触らないで!」

「ますます怪しいぞ。ユリア取り押さえとくんだ」

「はいですー」

「うわっぷ」

 ユリアの胸元が優騎の視界を覆い隠し肌色の世界が広がった。

「んー」

 下半身はタオルから解放され空気ですーっと涼しさを感じるようになる・

「なんだこの隆起した物体は? これが力の源なのか? ――熱いぞ」

 手で触れられた感触を感じ優騎は限界が来る。

 まさぐられ血流が決壊するように気持ちよさが果てた。

「ひゃん――なんだこの――」

「ユウキ様⁉ ユウキ様!」

「ユリアどうした?」

「ユウキ様の意識が!」

「のぼせたのか! すぐに――」

 気持ち良い感触に包まれながら優騎は男を知らない女の怖さを知った。

 頭を真っ白に染まりあげ意識を失いながら――

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