聖騎士の号令会
優騎は閑念して結果的に騎士宿舎に向かうように王城内の廊下をアリシアと歩いていた。
道中、優騎はあのクソ王女との会話の中で聞いたさまざまな言語の疑問をアリシアに問いただす。
モンスター。
どうやら、優騎の知識にあるゲームとかできくあのモンスターと相違はなかった。
実のところ『アイスグラシエル』を守っていたあの怪物もモンスターであり、『氷龍』と言われる存在であった。
優騎は宿舎に行く間にそんな雑談を聞きながら関心を持つ。
ふと、足を止める。
「なあ、ここはなんだ?」
宿舎に行く途中の廊下でひとつの大きな扉が目にとまった。
「はぁ? どうしてあなたに任務に関係のないことまで説明をしなくてはいけないのですか?」
「関係なくっても今後のためにも城の地図くらい熟知しておくのはいいだろう」
もっともな意見を述べたのだが、アリシアは優騎のことをすごく嫌っていた。
態度はあきらかにいやなやつを見るようにして舌打ちし返答をする。
「書庫部屋です」
「書庫?」
「書庫も知らないのですか? 馬鹿ですか? 死んでください」
「死んだら人手が減るぞ。猫の手も借りたいんだろう。まあ、書庫はわかるさ。どうして、城の中にこんなでかい書庫がって話しさ」
「なら、そういえばいいでしょう。めんどくさ言い回しはよしてください。このクソ野郎」
余りにも容姿からは考えられないほどに口の悪さが目立つ。
とくに優騎に対してだけ。
「あんたが俺のこと嫌いなのはよーくわかった。あとで、サクヤにでも聞くか」
「ずいぶんとサクヤ・イカヤと仲がよろしいようですね」
「あいつはどうやら、俺のこと気があるみたいだしな」
「はぁ? 自惚れてるんですか? その顔でよくそんなこと言えますね。笑えますよ」
冷ややかな瞳。汚物でも見るかのような目でみてから存外に毒を吐き捨てる。
「さすがにそれは傷ついたな。けど、まあ自分の容姿があれなのはわかってるての」
ふてくされながらも少々気に止めながら書庫の前を通り過ぎて数分歩いたところで外にある訓練場の一角の場所。そこが宿舎でたどり着いた。
「隊列!」
アリシアが大きな声をあげ号令をかけた。
それに従い、甲胄をまとった男女たちが訓練場に5列の隊列を作って並んだ。
「まず、新人の紹介をします。今日からこの聖騎士の新たなメンバーとなる聖騎士見習いのキジョウユウキ第5聖騎士隊員です。皆さん彼とうまくやるように願います」
優騎は周りの視線を浴びながら目の前の聖騎士たちを見回した。
人数はやはり、最初の聖騎士試験を行った時より少ない。
遠征に出てる話は本当だったようだった。
(めんどくさい任務から逃げ出したいが逃げ出すわけにもいかないしねげ出せばこいつらに殺されるのがオチ。猫の手も借りたい話は本当のようだし少しくらいは騎士として活動するのも一行か)
自分勝手なことしか考えず傍らのアリシアの視線を感じて目を合わせる。
「なんだよ」
「挨拶を述べてください」
「あいさつぅ?」
優騎はざっと、もう一度騎士たちを見回して顔を歪ませる。
「あー、キジョウユウキでーす。よろしく」
こんな小学生でもしない業務的挨拶をさせられるとはめんどくさいと感じながら適当に名を名乗って頭を垂れる。
まわりもなにこいつ。何様のつもりだと目で言ってるのが分かるくらいだ。
「っ! あなたはあっちの最後尾です! 貴様の隊長は第5聖騎士隊隊長クリュルッハ・エーベルッツ隊長です。従うように願います!」
「あんたじゃないのかよ」
「私も隊長で司令隊長です」
「つまり指揮官ってわけね」
優騎は第5班ってわけだと理解した。そのまま素直に一番左端の彼女が目で指した列の最後尾へ向かう途中だった。第4聖騎士の隊長らしき男に足をひかっけられる。
そのままバランスを崩しかけて転倒しかける――
しかし、『氷龍』と戦った経験が功をなしたのか、踏ん張りを付け鞘から剣を引き抜き4列目に並んだ金髪に爽やか顔のアマイマスクの男の首に鋒を突きつけた。
「おい、なんの真似だ?」
「へぇー、おどろいたな。「氷竜」を倒しただとか有名な悪党を倒したとかいう話は案外嘘じゃなさそうだ。でも、その蕪村な態度はよくない。ボクは君より立場は上なんだ。すこしは態度をわきまえたらどうなんだ」
「わるいな。ここでの生活ってのは知らんのでね」
「王女が目をかける理由がわからん。こんなゲス男に」
「そこ! スール・アルルシュ第4聖騎士隊長、キジョウユウキ第5聖騎士、乱闘はよしてください! 任務報告中です! 乱闘をした場合即刻処罰を与えますよ」
「ちっ! 王女に媚びた下賎な男が」
スールとかいうクズ男の蔑みを受けながら優騎は隣に素知らぬ顔でこちらを見ていた隊長と目線を交わす。
男か女かわからんような容姿をした綺麗な白銀と小顔でアイドルのようなかわいい顔立ちの人物。
「‥‥‥‥最後尾へ」
こいつもこいつで優騎は自分の隊長ならなにかしら言えよと思ったがまわりの気配で分かった。
(だよな。俺はおよびじゃねえってか。こっちだって馴れ合うきはサラサラねえよ)
見渡せばサクヤがいないのがこの空気が悪化してく原因だろう。
(サクヤも外部遠征に出されてるのか)
ショックをにじませながら後方に並んだところで――
「では、作戦を伝えます」
作戦の説明がなされた。




