プロローグ
一人の黒髪で根暗顔の青年はPC画面を見つめながらカチカチとマウスを操作する。
暗い部屋で本棚とクローゼットそれにパソコンデスクとリクライニングチェア。デスクの上に青年が操作してるパソコンがある形。
いわゆるひきこもりの青年はゲーム三昧に明け暮れていた。
青年もひきこもる以前は職に無難についておりゲーム関連のシナリオを散々に書いてきた。
しかし、ライターとは物語がかけなければ意味がなく青年はいつしか構想が生まれなくなり、会社もクビにされほどなくひきこもる。
一人暮らしの青年は誰に文句を言われることなくゲーム三昧。
PC画面では自らが操作するカッコいいキャラが動く。
青年がしてるゲームは『KNIGHTOFSEVEN』といういわゆる定番のRPGオンラインゲーム。
魔王を倒したりモンスターを討伐したりなどある。
しかし、このゲームにおいては一つ他と違った面も存在した。
魔王を討伐しただけではゲームは終わることはない。
このゲームにおいて魔王は最強のボスキャラではなく単なる雑魚キャラ。
いや、そこらの雑魚キャラよりは強いがあるキャラの方が最強。
『KNIGHTOFSEVEN』にはPVPシステム、いわゆるプレイヤー同士の対決もある。
とくにそう言うバトルコロシアムシステムもある。
そして、『KNIGHTOFSEVEN』はPVPにおいて重要な戦いが一つ存在する。
七つの聖剣を持つNPCプレイヤー。
『KNIGHTOFSEVEN』において最強のボスキャラである。
プレイヤーは一国の騎士となりそのボスキャラを退治してくゲームがこの『KNIGHTOFSEVEN』の主な題材であるがいろんなクエストや階層を上りつきPVPを各種こなせそのプレイヤーとの戦闘権利を得るシステム。
青年――軌条優騎は『KNIGHTOFSEVEN』で自らが操るプレイヤーを見つめながら操作する。
まず、自らのプレイヤーが所属する王国へ出向き任務を請け負いクリアーしていく。
移動先では各種階層があってそこの奥地に『聖剣使い』か魔王がいるというシステムを理解してる上で優騎は任務をこなしまくる。
「くそっ! このクエストも外れかよ!」
しかも、クエストにおいて『聖剣使い』と出会う確率は運。
メインクエストなど『KNIGHTOFSEVEN』には存在せず、どれもが通常的任務であり王国から配信される任務をこなす育成RPG要素が濃い。
そのためか『KNIGHTOFSEVEN』は徐々に人気がなくなりだしサービス停止の話が出ていた。
それでも優騎はとことんゲームを気に行ってるので最悪最後までやるつもりで本日最終稼働時間までやりこんだ。
「くそっ! 最後の『聖剣使い』に全然出あわない」
優騎が操作するプレイヤーキャラは『KNIGHTOFSEVEN』最強と謳われるほど有名だった。
バトルコロシアムでも優勝を5連覇し、モンスター討伐数ランク大会でも1位を取ったほどの実力。
一切課金なし。モンスターなどを討伐しレアアイテムを入手していた。
まさに大ベテランの『KNIGHTOFSEVEN』の覇者。
「ん? めずらしいな運営からメッセージが届くなんて」
最後の最後までやりこんでるといつもはそんなにメッセージをしてこない運営からのメッセージが届く。
唯一今稼働させてるのは優騎のキャラのみだった。
画面では時刻も3時過ぎ。
画面のキャラで動いてるのは優騎のキャラだけでそれを見た運営からのメッセージか。
「一体なんだ?」
メッセージを開き立ち上げた瞬間文字化けの様なコードの羅列がそこには刻まれていた。
吸い込まれてく感覚――
頭の中にコードが刻まれるようなそんなイメージが浮かんでくる。
「ぐぁ‥‥あ‥‥あ」
息苦しさを感じて椅子から転げ落ちる。
そして次の瞬間画面が光――優騎の視界は白色に染まりあがる。