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みみざる

シンジュウ ~大輪の赤い花~

作者: みみざる

   【1】


――真っ赤な花が咲いた。


 白く塗られた鉄のフェンスが人と車を隔てる四車線道路の対岸。

 ダンプカーが事故を起こしたのかと思うほどの轟音が響き、視界の隅が赤く塗りつぶされた。

 誰かが何かを叫んだ。悲鳴は瞬く間に人から人へと伝播し、阿鼻叫喚の図が出来上がる。彼らは皆一様に花から逃れようとしていた。

 それを少し離れたところで見ていた群衆たちの反応は様々で、冷静に携帯で警察や救急を呼ぶ者もいれば、電話としてではなくカメラとして使っている者もいた。何かをする余裕がなく、その場にうずくまって嘔吐いている者もいた。

 僕はこれらのどれでもなかった。

 花に焦点を合わせたきり、時間が止まっているかのように微動だにせず、ただただ立ちつくしていたのだ。その姿は目の前の光景があまりに衝撃的だったせいで我を失っている、かわいそうな小学生のように見えたかもしれない。

 確かに僕の心は僕の中にはなかった。

 でもそれは、あそこで逃げ惑っている者たちのように花から離れようとしてではない。

 むしろ僕は花に吸い込まれていた。

 怖ろしくも美しい赤色に。儚くも力強いその色に。心を奪われていた。

 周囲の喧騒が薄れていく。悲鳴も、電話する声も、カメラのシャッター音も。リモコンで音量を下げたみたいに、すーっと音が引いて行った。

 雑音を吸い取ったように視界の赤が濃くなる。

 聞こえるのは不安定で荒い呼吸と、地響きのような鼓動。

 鼻腔をくすぐる鉄の匂い。

 病に犯されたように火照る体の熱と、ほんのりしょっぱい口の中。

 世界は、ただそれだけになった。

「――おい、君。大丈夫か?」

 どれほど立ちすくんでいたのか分からない。

 呼びかけに応じて見てみれば、辺りには色々なものが混じっていた。

 パトカー。救急車。回転灯の光が赤い花を覆い隠していく。

 悲鳴はもうなく、代わりにサイレンが一帯の空気を切り裂いていた。慌ただしく駆けまわる救急隊員は消毒液の匂いを撒き散らし、そのひんやりとした香味に体温が奪われる。口の中も無味な唾液しか感じられない。

 不思議と、そのどれもが僕にはつくりものみたいに思えた。

 目の前の光景を、液晶越しに見ているような錯覚に陥る。音も匂いも、誰かがそれらしく合成している気がした。

「おい? 君――」

「すみません、大丈夫です」

 唾液に似ている液体を飲みこみ、心配そうに顔を覗き込んできた救急隊のおじさんに向けて笑顔を浮かべてみせる。

「よかった。怖かっただろうが、もう大丈夫だ。さあ、こっちに」

おじさんも僕を安心させるように笑顔を返すと、肩に手をまわして救急車の方へと誘導した。

 その手の感触と温もりだけは、素直に受け取ることができた。


   【2】

 世界は偽物で溢れている。

 それに気づいたのは、小学四年の秋だった。

 いつも通りの帰り道。学校を出てしばらく歩いたところで、僕は本物に出会った。

 爆弾をつかったシンプルな心中。三十代のカップルが、二人が出会った道端で爆ぜたというだけの話。

 心中自体はありふれたものだし、世間ではちょっと迷惑で時代錯誤な死に方だと少しの間騒がれ、すぐに忘れ去られていった。

 だが僕は知っている。たとえあの場に居合わせた全員が忘れても、僕だけは覚えている。

 あの時、確かにあった本物の存在を。

「ここでメネラウスの定理を使いまして――」

 黒板の前で、四角い黒ぶち眼鏡をかけた痩せ型の数学教師が話をしている。学校よりも役場にいそうな感じの人だ。

 彼の言葉も嘘だらけだ。それも仕方ない。学校とは、この虚飾だらけの社会に溶け込むための、嘘を取り込むための場所なのだから。人生を豊かにするなんてスローガンは、建前という名の嘘の一種に過ぎない。

 でも、彼の数学に対する思いは本物だ。それはこの半年ほど授業を受け続けて分かった。彼は数学の授業の時だけ、声のトーンが少し上がる。猫背気味の背筋が少し伸びる。

彼の話を最前列の中央で聞いている、クラスメートの学習意欲も本物だ。休み時間は人型の置物のくせに、授業中だけは活き活きとしている。誰よりも熱心にシャープペンを動かしている。

彼らを教室の一番後ろから観察している僕は――残念ながら偽物だ。本物を探すのが趣味の偽物だ。

本物になりたい偽物だ。


   【3】

 チャイムが鳴る。

 この高校に流れる時間の名前が、四限から昼休みに変わる。チョークを置いた数学教師はやや低めの声で授業の終了を告げ、最前列のクラスメートは教室の風景の一部に溶け込んだ。

「将太、学食行こうぜ」

 手早く勉強道具を引き出しにしまった友人が、僕の名を呼びながら近づいてくる。

「ごめん、今日はもうコンビニで買ってきたんだ」

「そっか。じゃあ他を当たるわ」

 おにぎりとお茶のペットボトルが入ったビニール袋を見せると、彼は近くにいた別の友人に声をかけ、そいつと一緒に教室から出ていった。

 彼の背中を完全に見送ると、僕もビニール袋を手に教室を後にした。

 移動教室帰りの連中と学食を目指す奴らで慌ただしい廊下を歩く。目指すは屋上、の手前の踊り場。マンガでよくある屋上での昼食も一度やってみたいが、扉が施錠されているので無理だ。

 階段を上るにつれてすれ違う人は少なくなり、最上階である四階にはもう誰の姿も見えなかった。このフロワには生徒会室のほかは空き教室とトイレくらいしかない。生徒会の繁忙期である学園祭前でもない限り、昼休みに人がいることはないはずだ。

 でも一応、もう一度誰もいないことを確認してから屋上への階段を上る。

上り切った先の踊り場には、既に待ち合わせの相手がいた。踊り場に腰をおろし、ぴったり閉じた両足を二段下の階段につけている。

「あ、先輩。おはようございます」

「もう『こんにちは』だろ」

「そうですね」

 意図してかは知らないが、校則をきっちり守っている黒髪のショートヘア。唯一の装飾であるヘアピンも、ダークブラウンの地味なものだ。

 彼女は美術部の後輩、鳴沢朱美。一月前からは三人称代名詞でない『彼女』の肩書も持っている。

 そのことは友人たちには秘密だ。冷やかされるのが嫌だから。

 彼女との関係を、ではない。彼女との関係が終わることを、だ。

 僕たちの関係は彼女が僕に告白し、僕が了承したことで始まった。ただ正直、「つきあって下さい」に「はい」と答えたあの瞬間から、僕にはこの関係を続けていく自信がなかった。

 一月後も彼女とこうしているなんて思ってもいなかったし、今でも毎朝彼女の顔を浮かべては、フられる覚悟を決めて一日を過ごしている。前向きなのか後ろ向きなのか、判断に困る日課だ。

 いつ終わるか分からない、とびくびくしているこの関係を、友人たちに知らせる気にはならない。もう別れたのかと笑われたくはない。

 彼女の気持ちを受け取ったのは、そうすることで僕も本物になれるような気がしたからだ。だけどよくよく考えると、本物なら終わりに怯える必要なんてないだろう。

 やはり僕は偽物なのだ。

 本物になれない、偽物なのだ。

「先輩、どうかしました?」

 浮かない気持ちが顔に出てしまったのだろう。朱美は心配そうに眉をひそめている。

「いや、何でもないよ」

 取り繕うように笑顔を浮かべて彼女の隣に座った。

「いただきます」

「……いただきます」

 行儀よく両手を合わせた彼女につられて、最近おろそかになりがちなその文言を唱える。

 フィルムを外して、おにぎりを一かじり。量産された味が口の中に広がった。

 もう一口食べたところで、具が明太子であることに気づいた。

「うっ……」

 ざらざらとした不快な食感が舌にまとわりつく。僕は明太子が苦手なのだ。

「あ、やっぱり知らずの行動でしたか。前に明太子ダメって言ってたから、変だとは思ってたんですけど」

「だったら教えてくれよ……」

 お茶でつぶつぶを流し込み、食べかけのおにぎりをゴミ箱代わりのビニール袋に入れる。もちろん他のおにぎりは既に太腿の上に避難済みだ。

「どうしちゃったんですか、先輩。やっぱり変ですよ」

「いや、遅くまでネトゲしてたら土壇場で数学の課題やってないこと思い出してさ。今日徹夜なんだ」

 これは事実だ。気が晴れない原因の全てではないけれど。

「ああ、それで」

 説明に納得したらしい朱美は、再び箸を動かし始めた。

 彼女の昼食は僕と違って、母親につくってもらったお弁当だ。スカートの上に、女の子らしい小さな器がちょこんと乗っかっている。

 まだまだ夏の気配が残っているとはいえ、中身は冷めてしまっているだろう。なのに、それはとても温かそうに見えた。

 その温もりを直視できなくて、僕は正面に向き直った。

 僕の家は母子家庭だ。五年前、父が突然心臓発作で他界したからである。

 母は父の分まで働かなければならなくなった。家事が多少おろそかになるのは仕方のないことだ。仕方のないことなのだ。

 割り切っているつもりでも、ふとした拍子に弱い気持ちが漏れ出てくる。心の隙間を理性で塞ぐことは不可能だ。

 薄汚れた床に、コンクリートがむき出しの壁。目の前はくすんだ灰色一色だ。

 でも、これ以上朱美に気を遣わせるわけにはいかない。

 つきそうになった溜め息を、新しくフィルムを外した鮭のおにぎりごと飲みこんだ。


   【4】

 帰り道はいつも一人だ。

 朱美とは家が真逆の方角だから、一緒に帰ることはできない。大した距離ではないから彼女の家までつきそってから帰宅することもできなくはないけど、そんなことをすれば他の部員に怪しまれる。朱美も彼氏ができたことを自慢したがるタイプの人間ではなかったから、二人の関係を二人だけの秘密にすることには賛成してくれていた。

 西日に照らされる道路を一人で歩いていると、色々なものが目についた。

 道端に落ちたセミの死骸。行方不明の飼い猫の情報を求める貼り紙。平日でも布団を干している家。馬の横顔みたいな形の雲。

 やがて大通りに接続する交差点が見えてきた。あの本物の心中があった四車線道路だ。通学路は歳を経る度に伸びているけど、基本的なルートは変わっていない。

交差点にはスーツ姿で心活パーティのチラシを配っている人たちがいた。呼びかけによると三十代限定のものらしい。

 心活、すなわち心中活動。最近、あの手のイベントが急増している。

 昔は結婚も心中も親が決めた相手とするのが一般的だったそうだ。それがお見合いという形で自由度が増し、やがては自由恋愛、自由心中が謳歌されるようになった。

 そして今、時流はより積極的になっている。

 それに応じて、心中はビジネスと化した。相手がいない人向けに心活パーティが幅広く催され、相手を見つけた人には低価格の心中パックが用意されている。心活関連事業の総売り上げは、昨年度ついに二百億を超えたという。

 一方で企業の思惑とは無関係に合コンなどで相手をみつけ、心中する若者も増えているらしい。行きずりの相手とその場の勢いで心中するケースも珍しくなくなった。

もちろん、これらは全部偽物だ。本当の心中はこんなもんじゃない。

心中は、愛の最高の形なのだ。二人の気持ちがこれ以上なく高まった時、この人となら死んでもいいと心の底から思った時に咲く、世界で最も美しい花なのだ。

出来るだけ目を合わせないようにしながら、僕はチラシ配りの女性のそばを通り過ぎた。

横切る最中、香水の匂いが鼻をついた。化学式で描かれた薔薇が浮かぶ。写真でしか花を見たことのない 人間が、想像だけで調合したような匂いだ。何とも言えない不快感に、思わず歩調が早まる。幸い、パーティの趣旨的に制服を着た僕に絡んでくる気はないらしく、すんなり大通りに出ることができた。

逃げるように交差点を離れ、家路を急いだ。

 四車線道路を十分ほど歩き続けたところで、入り口に信号も標識もない脇道へ逸れる。民家の合間を縫うように伸びた、車一台がようやく通れるような細い道。その突き当たりにあるアパートの一○二号室が、僕の家だ。

「おかえり、将ちゃん」

 玄関の鉄扉を開けると、母さんが優しく迎えてくれた。

「ただいま」

 つーん、と生姜が鼻をつく。遅れて醤油と、かすかな蜂蜜の匂い。夕飯は生姜焼きらしい。我が家では砂糖やみりんの代わりに蜂蜜をよく使うのだ。

 今日は週に一度しかない母さんの定休日。その貴重な休日を使って、母さんは夕飯をつくってくれる。

つけあわせのキャベツを千切りにしている母さんの背中を見ながら、ふとさっきの心活パーティのちらしを思い出した。

 母さんも今年で四十二。父さんが急逝したため機会を逃しているが、本来ならそろそろ心中を考え始める歳である。

――やっぱり、母さんは父さんと一緒に死にたかったんだろうか。

 気にはなるが、直接聞くには重すぎる問いだ。

 僕は何も言わず、母さんを手伝って千切りになったキャベツを生姜焼きの皿に盛った。


   【5】

 週末。朱美からメールを受け、僕は市外の美術館に来ていた。

 要するにデートというやつだ。今時の高校生にしては地味な場所だが、周囲に関係を隠している以上、知り合いとばったり会うようなところは避けたかった。

 その点美術館なら安全だ。お互いのクラスメートとの遭遇率は限りなくゼロに近い。美術部員もオタクばかりで、休日にわざわざ美術館に出向く奴がいるとは考えにくい。

 ちなみに実益も兼ねている。朱美は数少ない芸術系の美術部員で、美術館巡りが趣味。僕は美術に傾倒しているわけではないけど、結構何でも楽しめる質なので、朱美の趣味につきあうのも苦痛ではなかった。

 いや、むしろ好ましいとさえ思っている。ありきたりな、デートという単語から簡単に連想できるようなものではなく、僕らに合った、僕らだからこそできる日々の積み重ね。それは僕が求めている本物に近いような気がした。

 でも、まだ何か足りない。

 本物にあって僕にはない、何かが。


   【6】

 デートから帰る頃には、完全に日が暮れていた。

「ただいまぁ」

 誰もいないと知りつつも、帰宅の挨拶をして鉄扉を開けると――玄関には既に靴があった。

 おかしい。世間的には休日とされているが、母さんにとっては平日と同じ仕事がある日なのに。

 それに、家中の電気が消えているのも妙だ。何かしらの理由があって仕事がなくなったのだとしても、家に帰っているなら電気くらいつけるはずだ。

「母さん? いるの?」

 照明をつけながら慎重に歩く。住み慣れた我が家なのに、未知の洞窟を探険しているような緊張感が体を痺れさせていた。

 リビングに母さんはいた。ダイニングも兼ねたそこには、ダークブラウンのテーブルと椅子のセットが置いてある。二人用の、そんなに大きくないやつだ。

仕事に行くときの格好で椅子に座ったまま、母さんは放心したように硬直している。

 胸の前に組まれた手には、包丁。

――緊張が恐怖に入れ替わる。痺れはそのままに震えが走った。

「あ、将ちゃん、おかえり」

 と、母さんが僕の帰宅に気づいた。

「将ちゃん、話があるの」

 うつろな視線を宙に彷徨わせながら、母さんは続ける。

「ごめんね、将ちゃん。お母さん疲れちゃった」

「え? 何言って――」

「五年間必死に頑張ってきたけど、いくら働いても生活は楽にならないし、職場では逝き遅れ逝き遅れって陰口叩かれて……もう限界」

 ゆっくりと母さんが腰を上げる。嫌な予感が現実になろうとしているのを感じた。

「だから、ね。一緒に死のう」

 どうしてそういう結論になるのか、聞き返す暇はなかった。

 尋ねる余裕があったとしても、答えが返ってきたかは分からない。目の前の母さんは、もう僕が知るその人ではなくなっていた。

 いつの間にこんなストレスを溜め飲んでいたんだろう。全く気づかなかった。おそらく一番近くにいて、異変を察知できなかった愚かな自分が憎い。

 だから、ここで死ぬのもありかな、と一瞬考えた。それで母さんの気が済むなら、せめてもの罪滅ぼしに殺されてあげようと。

 しかし想像以上に、僕の体は生存本能に従順だった。

 包丁が突き出された瞬間、反射的に母さんの手をつかんでいた。

 そのまま揉み合いになり――包丁の刃が、母さんの首を捕えてしまった。

 飛び散る鮮血。

 赤く染まった視界の向こうで母さんは一瞬驚いた顔を見せると、その場に倒れ込んだ。

 そして二度と動かなくなった。。


   【7】

 母さんを殺してしまった、と僕は理解した。

 不思議と悲しみも恐怖も後悔もなかった。

 しかし無感情だったかと言うとそうではない。

 血がたぎるような興奮があった。

 魂が震えるほどの喜びがあった。

 探し求めていたものが、ようやく見つかった。


   【8】

 深夜の校庭に、僕は朱美を呼びだした。

 素直に応じてくれた朱美に、家から持ってきた包丁の一本を渡す。朱美は何も言わずにそれを受け取ると、笑顔で僕に向けて構えた。

 僕も笑顔でもう一本の包丁を構える。

 どちらからともなく、二人の影が重なった。

 夜の静寂の中で、朱美の輪郭が濃くなる。

 聞こえるのは不安定で荒い呼吸と、地響きのような鼓動。

 鼻腔をくすぐる鉄の匂い。

 病に犯されたように火照る体の熱と、ほんのりしょっぱい口の中。

 世界は、ただそれだけになった。

 どれほど切り合っただろう。

 ふとしたはずみで、僕はバランスを崩して尻もちをついてしまった。

 朱美は仰向けに倒れた僕に馬乗りになると、何度も包丁を繰り出した。


――真っ赤な花が咲いた。


 腕に、胸に、腹に。刃が振り下ろされるたび、花はその数と美しさを増した。

 ああ、ありがとう。

 やっと僕は本物なることができた。この綺麗な花になることができた。

 これは、ほんのお返しだ。

 最期の力を振り絞って、僕は朱美の胸に包丁を突き立てた。

 朱美は満面の笑みを浮かべながら、僕の胸に倒れ込んできた。

 二人の血が混ざり合い、花はいよいよ満開に咲き誇る。

 この瞬間、僕らは世界でただ二人の幸せ者になった。


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