『愛』に関する詩3作
【彼女への愛のカタチ】
君は僕にとって唯一の花嫁
眠る姿が愛おしい
他の女になんか気をとられるものか
君は僕だけを求めているというのに
僕が君を裏切るわけがない
君と
僕は
永遠に一緒だと誓ったのだから
君の眠りを邪魔する鼠がいる
部屋の中をちょこまかと
時折うるさい声を出して
あぁうるさい
うるさいな
彼女の眠りを妨げないでくれ
美しい彼女の眠りを
やっと追い出せた
幸い君は美しいまま
静かに眠っている
また鼠が入り込むかもしれない
その時はまた追い出そう
君の眠る姿が
僕にはとても美しい
起きていた君よりも
今
此処で眠る君は
とても神聖で
とても美しい存在だ
君のために花を摘んできた
周りの奴らは
また変なものを見る目で僕を見る
鼠どもめ
君を僕から奪う気なんだ
彼女は眠る
その横に僕も眠る
僕はまだ
生きている
【それもまた愛のカタチ】
泣かせて
泣かせて
泣かせて
傷を与え続けた俺に
お前はそれでも笑うから
俺に近づかないようにまた傷つける
泣いて
泣いて
泣いて
傷を与えられ続けてきたけど
ずっと笑い続けている
だって君の方が痛いのを知っているから
君が遠くなって
俺がお前から離れて
随分と街の風景は変わったけれど
身体の傷は癒えたけれど
ずっとずっと傷が疼く
この傷もまた
お前が
君が
つけた傷だから
辛いけど
痛いけど
泣きたくなるけど
手放せない愛おしさを孕んでいる
新しい町で
新しい季節を迎え
新しい人と出会い
新しい生活を送っている
君に届くだろうか
お前に届いているか
謝罪と、そして愛の言葉
ごめん
それでも好きなんだ
【解析不能】
『好き』
は分かる
『愛』
は分かる
でも
『恋』
が分からない
『恋愛感情』
一番厄介で一番よく分からない
誰かと『恋人』になったことはある
関係上
事実上は違うけど
今思うと笑っちゃうような
『親友関係』
漫画は好きだ
小説も好きだ
もちろん恋愛小説も
でも
やっぱり分からないものは分からない
甘酸っぱいって何
キュンって何
ドキドキって何
解析不能
もう考えれば考えるほど分からない
叫びだしたいほど
もやもやする
ごめんと呟く
少なくとも
君の『恋愛感情』を僕は理解できなかった
同じ思いを返せてあげなかった
この解析不能な感情を
君と共有できなかった
あぁもう
この感情さえ解析不能
特殊な性愛を持つ人、傷つけあった恋人たち、まだ恋を知らない人――をモチーフにした作品3作。
当たり前の話だが、これは作者のイメージであって、読者がどうとらえるかは自由。