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第2章 第8話:論理の破綻と仲間たちの反撃

絶望的な論理の壁

**『静寂の雪原』に展開された『感情無効化フィールド』は、カイトの仲間たちから「意志」を奪い去り、彼らを論理に支配された「データ」**に戻そうとしていた。アリアとルークは、フィールドの圧力により、その身体が鉛のように重くなり、意識が遠のくのを感じていた。


「感情は矛盾であり、無効なノイズである。貴殿らの行動は、この世界の論理的連続性を断ち切る」ゼロスは無関心に言い放った。


カイトのレベル1の身体は限界に達していた。論理の試練とゼオンの破壊コード、そして感情無効化フィールドの三重の圧力が、ルークの知力Aさえも麻痺させようとしていた。


(このフィールドは、感情を**『論理的矛盾』と定義し、排除している。ゼロスはその論理に忠実だ。だが、ゼロスは論理的欠陥**には必ず反応する!)


カイトは、自身の真実の知識の膨大なデータの中から、ゼロスの元NPCとしての設定と、この**『静寂の雪原』の隔離データの根本的な論理矛盾点**を必死に探した。


カイトの論理矛盾の指摘

カイトは、魔力枯渇の痛みを無視し、ゼロスに叫んだ。


「ゼロス! お前が**『完全な論理』で動くなら、俺の指摘に答えろ! お前は、この世界の管理者**であり、維持することが任務だったはずだ!」


ゼロスは、カイトの言葉に反応した。「その通り。我の論理の第一優先事項は、この静寂の雪原の維持である」


「ならば、矛盾だ!」カイトは絶叫した。「ゼオンの破壊コードは、この雪原全体を論理的に破壊しようとしている! お前の**『維持』という論理と、『破壊』**というゼオンの行動は、直接的な論理的矛盾を生み出している!」


カイトは、さらに核心を突いた。「お前は、感情を排除するが、ゼオンの破壊コードという論理的欠陥に対しては、『介入しない』という矛盾した選択をしている! 感情の排除は維持に繋がらない! ゼロス! お前の論理は破綻している!」


カイトの知識と意志が込められた指摘は、ゼロスが拠り所とする**『完全な論理』の基礎を揺るがした。ゼロスの完璧な計算を映す瞳に、初めて混乱のノイズ**が走った。


「これは……論理的矛盾を検知……! 論理の第一優先事項である**『維持』が、外部からの『破壊』により脅かされている。感情の排除は、維持という論理を成立させる手段**であり、目的ではない……!」


ゼロスの論理が、カイトの指摘により自己修正を始めた。


ゼロスの協力とルークの覚醒

ゼロスは、ゼオンの破壊コードを**『論理的な欠陥バグ』**として再定義した。


「論理が成立しない。ゼオンのコードは、排除対象と判断する」


ゼロスは、その場で**『感情無効化フィールド』を解除し、『論理の法則』を操り、ゼオンの破壊コードと干渉を始めた。フィールドが解除されたことで、アリアとルークの身体に意志の熱**が戻る。


「カイト! あなたは本当に、世界の法則を書き換えた!」アリアは、再び剣に信念の力を込め、立ち上がった。


ルークは、ゼロスが論理的に排除しようとしているゼオンの破壊コードを解析し、驚愕した。


「カイトさん! ゼロスが排除しようとしている破壊コードは、この雪原の『時間軸』を不安定にしています! このままでは、雪原全体が**過去と未来が混ざり合う『時間の矛盾』**で崩壊します!」


カイトは即座に指示を出した。「ルーク! お前の知恵で、ゼロスの**『排除論理』を誘導しろ! ゼロスに、『破壊コードの論理的な連続性』を『切断』させろ! アリア、その隙に次の塔へのワープゲートを確保**する!」


ルークは、自分の解析能力と魔法技術を最大限に使い、ゼロスの論理回路に**『論理的誘導コード』**を送り込む。


「ゼロス! 破壊コードを**『切断』せよ! 論理的連続性の破壊は、この雪原の維持**に繋がる!」


ゼロスはルークの誘導を論理的に正しいと判断し、ゼオンの破壊コードのコアを狙って、**『論理の絶対零度』**という論理魔法を放った。


キイイイイーン!


ゼオンの破壊コードは、**「切断」**され、無力化された。

新たな知恵の獲得と旅立ち

破壊コードの脅威が去り、ゼロスはカイトたちに向き直った。彼の瞳には、依然として感情はないが、論理的な満足が宿っていた。


「貴殿の知識は、我の論理の欠陥を証明した。貴殿らは、この世界の維持に必要不可欠な変数であると論理的に判断する」


ゼロスは、カイトに**『論理の断片』という、結晶化した情報体を渡した。「これは、この世界の『真の法則』を記した論理データである。次の隔離世界、『第三界・時の狭間』は、時間軸の矛盾が支配する世界だ。貴殿らの持つ論理と真実**を以て、そこへ進め」


カイトは、ゼロスの**「論理」と、アリアの「意志」、ルークの「知恵」**の連携により、この試練を乗り越えた。彼は、論理の断片を胸に、次の試練へと目を向けた。


「行くぞ! 次は時間軸の矛盾が支配する世界だ。ゼオンは、必ずそこに、時間を操る最も厄介な罠を仕掛けてくる!」


ゼロスが起動させたワープゲートを通じ、カイトたちは、世界の論理を掌握した新たな知恵を携え、第三界へと旅立つのだった。

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