第24節「欲望の一夜」
俺は、「ル」氏と呼ばれる。
俺の願いは、決まっている。
その為にするべき事は、ちょっとしか惜しまないつもりだ。
問題は、何から手を付ければ良いのか、さっぱり分からない事だ。
その内、思いつくと思うので、今は動けない。それが定め。
欲望渦巻く一夜。
「七夕」
少しだけ雰囲気がいつもと異なる喫茶「天」の扉をくぐった。
「七夕特別メニュー」
ベカ煮込み
アルタイルステーキ
チューインガム
誰だこれ考えたの。
短冊に見立てたガム。食用大豆インクで願い事を書いて噛むらしい。
覚える為、辞書を食う奴もいる。
願いを噛み締めるのもありかも知れない。
そして最後に吐き捨てる訳だ。
店の中央には笹の林に星型が吊るされ、その間に川に見立てた樋に水が流されている。
これは、流し素麺やる気満々だな。
俺は乳酸菌ドリンクソーダのストローを口にた。
短冊に何か書いて笹に吊るしていく、いつもの面々をぼんやり眺めた。
さて、俺も。
と、その前に、みんなの欲望をチェックだ。
七夕 みんなの願い
ゴー「煩悩」
ミク「1日20000歩」
クラ「クロスカウンター!」
鈴「残り物には福がある」
ジブ「速達がはやく届きますように」
給仕さん「ヒロインになりたい」
めろん「バイトが休みませんように」
「サ」「ハッピー地獄」
ツッコミどころ満載だが…もう、いいや。
そして。
俺「週末の時に希望の星として輝く」
ジブさんの声がする。
「皆、近う。ところてん 流しをするでござる」
そっちか。
俺は、みんなのもとへ駆け寄った。
第24節「欲望の一夜」ここまで




