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第21節「夏は夜。午後は紅茶」

俺は「ル」。「ル」氏と呼ばれる。

夏も近い。雨上がりの湿った空気が、ちょっぴり温い。

アイスティーの氷がカラリと音をたてた。

これは、何かが起こる暗喩でよく使う。


「冷やシチュー、始めました。」

給仕さんが、貼り紙をはじめた。


さすが喫茶「天」わずかに外れた打ちごろのボール球だ。そして打たせて取らない。

打ち放題だ。

テラス席でミクちゃんが何か言っている。

その声は遠くで響く寺の鐘の音のようで、俺は、浄化された。


「…ごめん。君の事を思い出すことすらできなかった僕…」


何だろう?


「朗読の練習ですよ。」


背後から「ゴー」さん。説明ありがとう。

朗読内容らしいレポート用紙の一枚をテーブルに置いた。

—--

「君を探して」


居場所を作ってあげられなくてごめん。

君の事を思い出すことすらできなかった僕を許して欲しい。


だけど、今の僕には君が必要なんだ。

都合が良い奴と笑ってくれて構わない。


そこにあるのに手が届かない。

暗い洞窟の奥。僕の憂鬱の吹き溜まり。

干からびてその身を風化させながらも決してそこから離れられない。


僕を救ってほしい。




どこへ行ったの?「耳かき」。






あ、あった。

—---

何だこりゃ。これは「ゴー」さんが書いた物だ。憶測ではない、明らかな確信だ、

俺は不意に、金持ちの知り合いの家出でくる紅茶の香りはトイレの芳香剤の匂いと同じだと思った。


第21節「夏は夜。午後は紅茶」これまで。

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