第16節「特殊部隊と天載への備え」
俺は「ル」氏と呼ばれる。で、あります。
この度、俺は、俺防衛軍を組織したのでお披露目だ。で、あります。
俺防衛軍。
防衛対象 俺。構成員 俺。随時募集中。
武装 特殊ガス発生線香。対敵性飛行体スプレー。
「蚊取り線香と 殺虫剤スプレーっすね」
あっさり俺を現実に連れ戻したのは「鈴」だ。
「鈴」も鬱陶しいが、蚊は、尚鬱陶しい。奴には俺の必殺拳は通用しない。
耳元で俺を狂わせる怪音波攻撃、痒くする吸血攻撃。
WHOあたりの特殊チームによる掃討作戦を切望する。
「天」のメニューの謎が解けた。
給仕さんに聞いたら、あっさり答えてくれた。
あるものはないのだ。ないものもまた、あるのだ。
客が好き勝手な注文をしたり、ジブさんが思い付きでメニューを増やしたりするたびに書き加えていった結果、提供できないものが大量に書かれてる分厚い本が出来上がり、それらのページを各テーブルに置いてるらしい。
しかも、どのページが置かれているかは日によって変わる。
道理で毎回メニューが違うわけだ。しかも大体ない。
ごく普通の喫茶店にありそうなものはある。1ページ目がテーブルにないので気が付かないが。
1ページ目コピーして全席に貼っとけ。
と思った。
注文で客が常連かどうか判別するために、あえて、そうしないと。
顔、覚えろ。
給仕さんの毎度のスマイルは初顔向けだと確定するのが怖かったので俺は何も言えなくなった。
俺の前には、冷奴と、ところてん。謎の炭酸麦茶がある。
ぱっと見、居酒屋だ。あとは焼き鳥が…え?、あるの?
奥の席でゴーさんが食べてた。俺も頼もうとしたら、無かった。
売り切れらしい。
あるものは、ないのだ。
常連への道はまだ遠い。
第16節「特殊部隊と天載への備え」これまで




