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第13節「不治の病」
俺は、不治の病におかされている。
特効薬はない。原因も不明。
普段あまりこの病を意識することはない。
バイト中、来客中、電話中。その発作は唐突に現れる。
現代医学の限界と諦めるしかないのか。
ボールペンが無くなる病。
「ゴーさんの教えで私はいつも2本もってますよ。」
ミクちゃんだ。
ミクちゃんのカバンはいつもパンパンだ。
なるほど。
多分絆創膏とか充電器とかティッシュとか全部2つ持ってる。
備えあれば患いなしだな。体力も付く。一石二鳥だ。
「現地調達で良くないっすか?」
「鈴」、何故おまえが俺の愛用していたボールペンを持っているんだ。
いや、疑うのは良くない。あれはよく似た 赤の他ボールペンだ。黒だけど。
「私は、鉛筆派ですね。後で消せるのがいい。」
ゴーさん。きっとあなたの頭の中でも何か消えてます。
「ところで、誰か鉛筆削り持ってませんか。」
ミクちゃんがカバンをごそごそしてる。
「あ、ありました。」
無いものは、あるのだ。
俺は、注文を取っている給仕さんに、胸ポケットから三色ボールペンを差し出した。
たまに出なくなるから困るよね。
そして、俺は翌日、発作に悩まされる。
第13節「不治の病」 ここまで




