第一節「地獄に仏」
無軌道、無意味。お茶を飲んだ後の口の中の感覚だけのような。
正義は、俺が決める!そのうちに。
俺は、飽きっぽい。
何より、自由が好きだ。
そんなこんなで、仕事もしないでぶらぶらしてたら、「おとうさん」に勘当されてしまった。更に自由だ。
街に出た。
人、多すぎ、ここは地獄だ。俺は落ち着く場所が欲しいのだ。
喫茶店。少しの時間ならここで良いか。
出た。給仕さん
かわいいなぁ。
俺は、頭を悩ませた。
コーヒーは定番として、頼む。だか、種類多すぎ。軽食も意外と迷う。
「迷っているのですね。私が導きましょう」
優しそうな若者が突然俺に話しかけてきた。ここの常連かもしれない。
「メニューには、色々書いてありますが、それらは、無いのです。」
俺は衝撃を受けた。無いのか。詐欺だろう、それ。
「書いて無いものも、また、有るのです」
そこはちゃんと書こうよ。と俺は思った。
若者は給仕さんにゴニョゴニョと呪文のように注文した。
特にこだわりがないので、俺は、同じものを。と言った。
若者は名乗ったので、俺も名乗った。
俺は「ル」。「ル」氏と呼ばれる。
よく聞き取れなかったので若者を俺は「ゴー」さんと呼ぶことにした。
「これは、甘茶にスパイスを加えたものです。」
泥水のようなその飲み物をゴーさんは口にし、涼しい顔をしている。
俺も意を決しそれを飲んでみる。思ったほど不味くはなかった。
もう、これは注文しない。
注文は俺が決める、次からは。
第一節「地獄に仏」これまで。
さっと読める量での連載ををコンセプトにキャラクター設定のみを決め
あとは成り行き任せで始めました。
現時点で8節までは毎日一節公開予定(投稿予定設定済み)。