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9話

あの後カザミとリアの2人は翼から1時間にも及ぶお説教を正座で受け足の痺れが限界に達していた。


「ではお二人からの熱い要望に答えまして、2日に一回早朝に我が家で模擬戦を執り行うという事でよろしいですね?」


「ありがとう翼さん!」


「やったねカザミ。嬉しいね」


「そしてカザミさんですが、先程ご説明いただいた共鳴という特殊技能ですが、今回リアさんの技能は一つもコピーできなかったのですね?」


「うん、対人戦闘の戦績によってコピーできる数が変わるんだけどさっきは途中でやめたから。あ、剣ノさんのは全部コピーしちゃったんだ……ごめんなさい……」


「まあ、それは良いでしょう。コピーできたものは二刀流剣術、疾風歩法、水剣、風魔法ですね?」


「いや…………剣術適性も……」


「特殊技能までですか!?」


「はい、すみません……あの特殊技能は制御が効かなくて」


 唖然として口を開けるツバサに対して申し訳なさそうに頬をかくカザミとそのカザミにキラキラした瞳を向けるリア。


「それにしてもカザミさんは規格外ですね……このまま行けば間違いなくSSSランクです。早いうちに所属するギルドを決めた方が良いのではないですか?」


「カザミもギルド【御剣家】に入ろう!そしたら私とても嬉しい」


「わたくしもカザミさんなら大賛成です!我がギルドは日本では1番のギルドですからね!」


 ギルドとはギフター達が作る派閥のような物で日本だけでも数百のギルドが存在する。今の日本は御剣家を筆頭に9つのギルドが覇権を争っており、現状のトップは御剣家だった。


「我がギルドに入ればランクの高いギフターとパーティを組めたり、他にも装備の貸し出しと言ったメリットがありますがなんと言っても1番は他のギルドからのしつこい勧誘を簡単に断れます」


「その通り、カザミは絶対色んなギルドに狙われる。御剣家に入れば安心」


「うん。真面目に考えてみる、必ず3日以内には答えをだすから少しだけ待ってもらえるかな?」


「承知しました。良い答えをお待ちしております」


「待ってるよ?カザミ」


「うん、じゃあ今日のところは一旦帰るよ。翼さん色々とごめんね。ご飯、ごちそうさまでした」


 その後カザミは来た時と同じように御剣家の従者に車で送ってもらい家に着いた。


「ただいま〜」


「おかえりなさい!どうだった!御剣家は??」


「母さん少し落ちついて。御剣家はお城だったよ」


「流石は日本でも屈指の資産家よね〜」


「それでさ、次期当主の人から御剣家のギルド、ギフターで言う会社?チーム?派閥みたいなものに入らないかって言われたんだけどさ」


「凄いじゃない、アンタ昔から1番強いギフターになるって言ってたんだから良いんじゃないの?強い人達が周りにいた方が成長できるでしょう?」


「そうなんだけど……まだギフターになって日も浅いし俺1人の力でどこまでやれるか試したいって言う気持ちと御剣家に気になる人がいて、その人と一緒にダンジョンに行きたいって気持ちがぶつかり合ってるんだ」


 その瞬間、矢白 秋穂は自身の耳を疑った。息子の口から気になる人がいるなんて一度も聞いたことがなかったからだ。基本的にカザミはダンジョンの事にしか興味を示さない子供だった。唯一家庭教師をしてくれていたアイシャに対しては懐いていたがそれ以外にこんな事はなかった。


「その気になる人ってどんな人なの?」


「とっても強くて、俺とまともに戦えて、あり得ないほど綺麗な人。近くにいるだけでいつも以上に頑張ろうって思えるんだ」


「カザミ!!私はずっと心配だったの、アンタのダンジョン狂いが。でも少し安心したわ」


「母さん?」


「うん、御剣家に入りなさい。アンタがそんなに人に興味を持つのはアイシャちゃん以来だもの、私が保証するわ、アンタは御剣家に入った方が良い!」


「やっぱりそうだよね。そうその人もね師匠の弟子なんだよ!」


 そう言うカザミの顔には先程までの迷いはなく、母に対して楽しそうにそれは楽しそうにリアとの模擬戦の話をするのだった。


 

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