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25話

17番ダンジョン、ダンジョンゲートの周りは今統括機関の職員や機関直属のギフター達による警備で厳戒態勢が敷かれており、高ランクのギフターですら入場が不可能となっていた。


 そんなダンジョンゲートの直ぐ側に設置されたテントの中にその人物はいた。


「師匠、お久しぶりです」


「アイシャ、久しぶり。相変わらずだね」


 リアと2人揃って挨拶をすると肩で切り揃えられた黒髪に赤い瞳の170センチ程の美女、俺たちの師匠。アイシャ・フランチェスタ・黒凪は右手に持った缶ビールを落としてしまった。


「カップル、だと…………」


「カップル?師匠何を言ってるんですか?」


「お前たち2人の格好!!それはペアルックというヤツだろう!!見せつけるように白黒しやがって!!クソが!ワタシのような行き遅れに対する当てつけか!それにしたってワタシの弟子同士でくっつかなくても良くないか?!カザミィィィ!!リアには戦闘でも負けたしよ!!恋愛でも強いのかリアは?!」


「師匠、落ち着いてください。俺たちは付き合ってません!この鎧達も偶然です!」


 わざわざ制服から着替えるために利己主義を使ってまで御剣家に置いてある鎧と剣を呼び寄せたのがこんな事に繋がるなんて、最悪だ。


「カザミ、私との事は遊び?悲しいね、シクシク」


「カザミ貴様!!ちょっとばかり天才だからって女を取っ替え引っ替えか!ワタシの大事なリアを悲しませるとは良い度胸じゃないか!!」


「あー!くそ!この人めんどくさい!リアも火に油を注がないでくれ!」


 そうだった……師匠は一回思い込むと話を聞かない人だった。完全に俺を敵視している……今にも背中に背負った真紅の大剣で斬りかかって来そうな勢いだ。


「冗談はここまで。アイシャ、急がないとまずいよ?」


「リアがそう言うなら仕方ないなぁもう!」


 すごく2人に腹が立っているが今は非常自体だ。俺が我慢しないとこの街、市原エリアが滅んでしまう。


「ああ!可愛いリア!こんな女の敵はほっといてワタシとダンジョンに行こうなぁ」


「アイシャ、誤解だね。カザミは学校にもほとんど行ってないし、友達も少ない……ダンジョン狂いの男の子。あんまりイジメちゃダメだね」


「な……カザミお前、やっぱりそう言う風に育ったのか……昔からそうだったが……すまない、ワタシが悪かった。謝る」


 ダメだ。抑えろ俺。この2人をまともに相手していたら精神が持たない。早く腰の剣にかけた手を離さなくては。


「ま、まあ。分かってくれたなら良いですけどね。友達少ないのは事実ですから!」


「大丈夫、カザミには私がいる。ずっと一緒だね」


「リア……」


「兄弟子は大事だね」


 分かってはいたけど心にくるな……いや、これで良いか。気持ちを伝えるのはリアとの模擬戦で勝った時って決めてるんだから。


「!!!ははーん?カザミィ?そう言うことかぁ」


「なんですか師匠?」


 この人こう言う時だけは勘がいいんだよなぁ。


「リアは可愛いもんなぁカザミィ?」


「…………」


「私は可愛い?そうなの?カザミ?」


 ああ……早くダンジョンでモンスターやホワイト・インストラクターと戦いたい。ひたすらにそう思った。

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