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10話

大変申し訳ありません!昨日の投稿をど忘れしました!!

本日2本投稿します!

御剣家を訪れた翌日、カザミは先日レッサーフェンリルと死闘を繰り広げた64番ダンジョンへ来ていた。


「もっと強くなりたい……」


 カザミは道中のモンスターには目もくれず一直線に先日レッサーフェンリルと戦った地点まで走る。


「あっちがボス部屋か。入り口からじゃ無理だけどこの地点ならステータスが上がったおかげでボスの場所が手に取るように分かる」


 再度加速すると次第にモンスターの数が増えてくるがそれらを拳で殴り捨てながらボスと思われる大きな魔力の元へと向かう。


「ここら辺はまだギフターが到達してないからモンスターが多いのか。だいぶ技能も奪えたしラッキーだ」


千匹以上のモンスターを蹴散らしながら走っていると大きな扉に突き当たる。


「これか、開けられるのかな?」


 そう言いつつも力を込めて扉を押してみると案外簡単に開いてしまい拍子抜けするカザミ。


「まあ、入るか」


中へ入るとドーム状に広がる岩肌とその真ん中に鎮座する大狼が目に入る。


「アレがボス、魔力の大きさからしてレッサーフェンリルには劣るな……やっぱりこれしかないか」


「グルルルッ!!」


「利己主義!ほら、俺の魔力を半分くれてやる!」


 職業技能【利己主義】によってカザミは世界を歪める。利己主義は自身への利益の度合いによって消費魔力が変わる。今回は敵を強くすると言う目的なので消費魔力は極端に少なくなるがカザミは無理やり自身の半分の魔力を込めた。カザミの魔力値はB+とギフターの中でも一流レベルの魔力を持っており、半分と言えど濃密な魔力で行使された【利己主義】は劇的な効果を発揮した。


 黒かった体毛は純白へ赤かった瞳は金色へ纏うオーラは暴風の如く、体躯は更に大きく元々全長5メートルほどだったものが10メートルを超えている。


「これはレッサーが付かないフェンリルかな?あれはもう少し小さかったし」


「人間、我にこれほどの力を与えた事後悔するが良いぞ?」


「へえ、喋れるんだ」


「今の我はストームフェンリル、フェンリルすら超越した存在だ」


「いつもだったらお前との戦いをゆっくり楽しみたいところなんだけど、今回は事情があって直ぐに強くならなきゃいけない。楽しむのはもっと強くなってからで良い……」


「戯言を!!」


「さっきここに来るまで沢山のモンスターを殴っては俺のものにして来た。ほとんど作業だったからどんなモンスターかは覚えて無いけど絶対服従でステータスに補正がかかったモンスター……いや、俺の下僕が約1000体。どこまで耐えられる?」


 瞬間、カザミの周りに無数の粒子が集まり大小様々な狼型のモンスターを形作っていく。


「行け」


「「「「「「「「「「ウォォォン!!」」」」」」」」」」


「なに?!我が眷属達を奪ったのか?!外道め!すまぬ眷属たちよ!」


 ストームフェンリルは身体に暴風を纏わせながらカザミの眷属となってしまったモンスターを蹴散らしていくがなにぶん数が多く、一斉に襲いかかってくるためどんどん身体中に傷を増やしてしまう。


「技能略奪……」


 遠くから声が聞こえるとストームフェンリルの纏っていた暴風が消え去り身体がとたんに重くなる。


「な、何をした……」


「おお、当たりだ。お前の技能全てもらったぞ」


「な…………」


「狼ども!一旦攻撃中止だ!」


「なんだ?何故殺さぬ?」


「お前も俺のペットにしてやるから、俺に服従を誓え」


「なんだと?」


「どうせお前に勝ち目はない。それに俺のペットになれば今より強くなれるぞ?あとはそうだな狼どものリーダーをやらせてやる」


「我はこのダンジョンの主人……人間の下僕になるなど……それに創造主がそれは許さな…………」


『禁止ワードの使用を確認。深刻なバグの発生を確認。排除行動に移ります』


「なんだ……前に聞いた神の声とは違う声……?」


 その瞬間、何も無い場所を切り裂くようにして現れたのは一言で言えば機械仕掛けの天使。身体が歯車などの鉄の部品のみで構成された天使だった。


「こいつは不味い……」


 カザミは自身の心臓が脈打つのを感じた。それはいつものように喜びからくるものではなく純粋な恐怖。


「ガハッ…………」


 気づくと、カザミは天使の腕で殴り飛ばされていた。広いボス部屋の壁にぶつかりやっと止まることができたが両腕はへし折れ、臓器もいくつかやられている。


「くっ……身体再生、オン…………」


 【身体再生】の技能をアクティブ状態にするとみるみる身体中の傷が塞がり数秒で完治する。折れていた腕も元に戻り万全の状態だ。


「さて、どうするかな……」


 今も正にこちら目掛けて接近する機械仕掛けの天使を見つめながらカザミは勝利への道を探っていた。


 


 


 


 


 

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