拝啓 カリポリ様
あなたがいなくなってから、とても長い年月が過ぎました。
名前の通りあなたは噛んで楽しむスティックキャンディでした。
しかし私は、あなたを1度たりとも噛んだことがありません。これは、あなたを長く味わっていたいという思いからです。
あなたは主にソーダ味とコーラ味でしたね。
たまに変わり種で別の味が出ましたが、私にはしっくり来ませんでした。
あなたはいつの間にかコーラ味とグレープ味になりました。私はグレープ味のものが大好きなので、あなたも例外ではありませんでした。
私はあなたの体表を舐めまわし、あなたがやせ細っていく姿を楽しんで見ていました。
一定の時間舐め続けると、あなたはまるで針のように先をとがらせ、私を威嚇してきましたね。あれも私にとっては良い思い出です。
でも、その数秒後にいつもあなたは死んでしまうんです。中と外とで二層構造になっていて中の方が脆く、すぐに折れてしまうんです。シュワシュワしていましたね。
あなたが折れると、私はいつも悲しくなります。例えるならそう、夏休みに飼うカブトムシのようでした。
短時間ではありますが、自分が丹精込めて可愛がって育て上げたあなたが死んでしまうんです。そこには生物と無生物の差などありませんでした。
まあ育てたと言っても身体の一部を奪い続けてたわけですけどね。
短ぇエッセイだなぁ!!!!!
みんなカリポリ好き?
焼肉とどっちが好き?
お、そうなの!?
じゃあ、大トロとどっちが好き?
大ファンじゃん!!
じゃあ、お母さんとどっちが好き?
そ、そう⋯⋯
ごめん、それはさすがに引くわ。