表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/117

22粒目『abbatial:大修道院長の』魔神を狩る者たち③

『abbatial』


―大修道院長の。


abbacyが変化したもの。―


 神母マリアの聖日が明けてすぐの深夜に、13の地震がこの国を襲った。

 震度はどれも6で、全てがほぼ同時に発生にもかかわらず、おしなべて直下型だったものだから、研究者たちは首をひねった。

 通常、地震は1つの巨大な(みなもと)からうねりが起きて各地に波及する。

 しかし13の地震は独立して発生し、局所的な被害を及ぼしただけだった。余震もない。

 けが人が多数出たし、建物もがれきと化したが、死者は1人だけだった。

 震度のわりに被害は軽微だったが、それでも、この国の人々は不安を感じずにはいられなかった。13の地震で崩れたのは、がれきと化したのは、どれも壮麗な歴史を誇る大聖堂だったからである。

 ちなみに死者も教会の関係者だった。

 次期の教皇と目されていた人で、この国の最も大きな大聖堂に併設された、大修道院の院長だった。

 どれほど位の、あるいは徳の高い聖職者にも、死は訪れる。

 が、今回の地震はその訪れ方が奇妙だった。


 崩壊した大修道院のがれきに彼は埋まったわけではなかった。

 むしろ、修道院はドーム型の聖堂だけが残っていた。

 その聖堂の中央で、大修道院長は仰向けに倒れる形で発見された。

 十字を切る形で指がおかれた胸の下には血だまりしかなかった。

 すさまじい、砲弾のような質量と速度の何かが、大修道院長の半身を吹き飛ばしたと結論付けられたが、何かの正体は不明のままである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ