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 句集  作者: 紫 李鳥
5/7

春の句を集めてみました。

※名刹:有名な寺

※蕪村:与謝蕪村(よさぶそん)(江戸時代の俳人)

※竹の秋:晩春の季語

※モネ:クロード・モネ(印象派を代表するフランスの画家。『印象・日の出』や『睡蓮』などで知られる)

※道祖神(どうそじん、どうそしん):村境、峠などの路傍にあって外来の疫病や悪霊を防ぐ神






 名刹(めいさつ)を 墨絵にしたる 桜かな


 安曇野(あづみの)を 緑にしたる 沢わさび


 雨止みて 柳に掃かる 小舟かな


 芹揺るゝ 川のほとりの 和らぎて


 湧池(わくいけ)や 生き物のごと 春を産み


 川岸の 夢授かりし (すみれ)かな


 花曇り ひとひら散らし 静かなり


 梅の下 筆を持ちたる 蕪村(ぶそん)かな


 (うら)らかや 駅のホームの くしゃみかな


 夕暮の 人なき道や 竹の秋


 宝石の 散らばるがごと 蛍烏賊(ほたるいか)


 せせらぎに 目を覚ましたる 土筆(つくし)かな


 古池や 花見の客に 起こされし


 菜の花や 水平線の 上にをり


 片栗の花 空の広さも 知らずして


 (いざな)われ 枝垂桜(しだれざくら)や 京の夜


 菜の花や 車窓にモネの 絵となりぬ


 (くさむら)に 灯をともしたる (あざみ)かな


 散り終へて (わだち)に集ふ 桃の花


 信州の 桜を眺む 道祖神(どうそじん)


 春の神 一本杉を ()らずして


 朝に夕に あくびをしたる 春の海


 呑む父の 愁眉(しゅうび)も知らず 卒業す


 川を流るゝ 一輪の 椿かな


 雨だれや 窓辺にかほる フリージア


 ガーベラを 丸いグラスに 浮かべけり


 恋すれば 青紫の サイネリア


 花冷えや ただ逢ひたくて 逢ひたくて


 母()れば 水(ぬる)むころ 結ふてやろ

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