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 句集  作者: 紫 李鳥
4/7

冬の句を集めてみました。

刀自(とじ):中年以上の婦人を尊敬して呼ぶ語

太陽柱(たいようちゅう):日出または日没時に地平線に対して垂直方向へ、太陽から炎のような形の光芒が見られる現象

降誕祭(こうたんさい):クリスマス

聖樹(せいじゅ):クリスマスツリー

日向(ひなた)ぼこ:ひなたぼっこ

吾子(あこ):わが子

木花(きばな):霧氷の傍題

※恋風:恋心のせつなさを、風が身に染みるのにたとえていう語

 





 ふかし芋 両手に持ちて 食ふ子ども



 貧しさや ひもじさ忘る 掘りごたつ


 

 すきま風 父の外套(がいとう)の 重さかな

 


 冬来して (はい)から零る 日本海



 手袋の 片方だけや 落とし物



 氷張る 小さき沼を 滑る子ら



 冬銀河 ながひ列車が 森を行く



 新雪に 倒れし遊ぶ 刀自(とじ)のをり



 初雪や 人肌呑みて 頬を染む



 日本海 太陽柱(たいようちゅう)が 吸い上ぐる



 愛しひと 暖炉の炎 見つめたる



 テレビから 流るゝケーナ 星冴ゆる



 見晴らしの よくなりしかな 冬木立



 降誕祭(こうたんさい) 父によく似た 酔っ払ひ



 水仙や 川のほとりに 楚々(そそ)とをり



 (よあけ)から (あお)ひセーター 編みをりぬ



 野天風呂 落ちては消ゆる 牡丹雪(ぼたんゆき)



 街の灯や 聖樹(せいじゅ)に託す 夢ひとつ



 待ちわびる 冬の星を かぞへつゝ



 雪やみて 天まで跳ねし 北狐



 書初(かきぞめ)や 専心できず 筆を()



 日向(ひなた)ぼこ (いだ)きし吾子(あこ)に ほゝえみて



 朝日影 その目に眩し 木花(きばな)かな



 ひとり寝の 爪先にをる 行火(あんか)かな



 恋風と チーズフォンデュと スキー帽


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― 新着の感想 ―
[良い点] 15文字で世界を表すのはこんなにも難しく、美しいのかとショックを受ける作品集。 中でも「ひとり寝の 爪先にをる 行火かな」は足元に寄り添って寝るネコを連想し、ほっこりとした気分となれる。主…
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