真定期テスト1
今日は6月。ホケモンが発売されて1週間が経って、テストまで2週間を切ったこの日。あたしは大笑いしていた。なんでかって?3日ほど前にとなりの家にホケモンが届き、春岐が楽しそ〜にプレイしてるのが確認できたからよ。ちゃんと「お邪魔するわよ〜」って言って部屋に入ったのに、イヤホン付けてる春岐は全く気づきもしなかったわ(笑) チラッと見えた総プレイ時間は明らかに睡眠時間を削っていたし、机の上になにもなかったから、勉強をしてないのも明らか。あと少しもすれば春岐は土下座でもなんでも手段を選ばず、勉強を教わりに来るに決まってる。どうしようかな〜。パシリもいいけど、なんか普通じゃないわよね。あ、そうだ!これならあたしもすっごく嬉しい!やっぱ天才だわ、あたし。
ー1週間後ー
あれ?春岐がなんか走ってきてる。
「小春!」ズザァァァァ
「な、なによ、春岐。そんなスライディング土下座なんか、クスっ、しちゃってさ〜。」
「笑ってもいい。なにされてもいい。でも勉強だけは教えてほしい。その偏差値80越えの頭脳を俺に貸してくれ!!」
ほら、やっぱり(笑)
「別に、いいわよ?ただ、条件はいるよね?どうしようかな〜、じゃあ、お姫様抱っこしながらって、ちょっと春岐、聞いてる?」
「え、なにが?」
「だから、私が移動する時はお姫様抱っこするって条件ならいいわよって言ってるの。」
「は?え?ちょ、ちょっと待って。え?俺が?小春を?お姫様抱っこ?!ずっと?!」
「あぁ、ごめん。3日間だけでいいわよ。さすがにずっとはね〜(笑)」
「ああ、そうだよな。3日だよな、よかった。よくねぇよ!なにが、ずっとはね〜(笑)だよ!お前この前のタンバリン忘れたのか?!」
「え〜っと、春岐?立場を整理しようか?頼んでるのはだ〜れ?」
「…………俺です。」
「だよね?じゃあ勉強は教えなくてもいいのかな?」
「ぐっ、そ、それだけはマジで勘弁です。」
「だよね?なら決定でいいよね?」
「……………はい。」
「えぇ?聞こえな〜い。これじゃあ勉強教えられないなぁ。」
「小春を3日間お姫様抱っこで移動させるので、勉強教えてください!!」
「よろしい。じゃあさっそくよろしく〜(笑)」
いや〜、考えといてよかった(笑) 春岐ったら歯食いしばって頑張ってたけど、あたしそんなに重くないよね?ねぇ?
今あたしは最高の気分です。大好きな幼馴染にお姫様抱っこされて部活に向かってます。なんだろう、今日はすごい調子がいい気がする。今日が引退試合なら誰にも負ける気しないってくらい。
「小春、そろそろ…」
「え?テニスコートもっと向こうだよ?」
「腕が疲れたんだよ。頼む、小春〜!!」
「あたしが重いって言いたいわけ?!」
「ち、違う、そそそ、そうじゃなくてだな、えと、えっと、そう!小春はテニスやってるから筋肉がついてるんだよ。だから重くても、あ。」
「へ〜、そう。じゃあ今日はもういいや。」
「へ?お、おう?」
「また明日ね。」
「おう、またな…」
なによ!あたしが気にしてたことピンポイントで言ってさ!そもそも何のためにテニスやってると思ってるわけ?もうっ、ほんとムカつく!どうせ夜か明日の朝には謝ってくると思うけどさ。春岐のこと大好きなあたしがそれ以上怒れるわけもないしさ。そうだ!スタハの新作奢ってもらおっと。もちろん、アレもそのままでね(笑)!
「ねぇ、小春?集中してないなら帰れば?」
「ごめん、なつ。もう大丈夫。」
「そう?なんかあったら言ってよ?」
はぁ〜、疲れた〜。若干八つ当たり気味で打ってたもんな。ん、春岐が電話してきた。ははぁ、さては直接が怖くて電話にしたな?よし、春岐、余計なこと言ったのを後悔するがいい!
「もしもし?」
「もしもし、小春?」
「そうだけど、何?」
「あーっと、さっきのこと謝りたくてさ、デリカシーなかったよな。ごめん。」
よし、いくぞ!
「もしもし?」
「明日、スタハ奢ってくれるなら許す。」
「スタハでいいのか?わかった、明日な。本当、悪かったな。」
「もういいよ♪ それより腕立てしなくていいの(笑)」
「え、なんで?」
「スタハまでどうやって行くと思ってるの?」
「え、ま、まさか……」
「じゃあね〜(笑)」
ピッ。
「プッ、アハハハハ、アハ、アハハハハ!!」
笑いが止まらなくて死ぬかと思ったじゃない。春岐ったらいい反応するんだから。これだからからかうのはやめれない。さ〜て、お風呂はいって寝よっと。
もう一度言っておきますが、小春は天才です笑
どうしてもおバカに見える部分が多々ありますが、ご了承ください。評価とブックマーク登録、コメントよろしくお願いします。