真プロローグ1-1
朝5時半。あたしの朝はストレッチから始まる。体をよくほぐしたら、顔を洗って歯を磨き、10分のウォーキングとランニング。そのあと新聞に目を通しながらご飯を食べ、着替える。朝に勉強をする人もいるらしいが、あたしはしない。集中力が続かないし、授業だけで事足りる。あたしの名前は岡安小春。春岐の幼馴染みとして17年間ずっと一緒だ。あたしが他の人と違う所といえば、隣の家に幼馴染み… ん?なんだろう、デジャヴ?てか、隣の家に幼馴染みって珍しいのかな。あ、あるじゃんそれよりももっと特殊なやつ。コホン。あたしが他の人と違う所といえば、IQが200あるところかしら。瞬間記憶なんて簡単だから授業だけで勉強は済んじゃうし、普段の生活の中でも、これってこうなるかな、って思ったことはほぼ当たる。ちなみに普通の人の平均は大体100くらい。あたしがどれだけすごいかわかる? おっと、もうこんな時間。早く春岐を起こしに行かなきゃ。
「お邪魔しまーす!!」
「あら、小春ちゃん。いつもごめんね〜。」
「おはよう、おばさま。いいんですよ、好きでやってるだけなので。」
「あらあら、まぁまぁ。じゃあ邪魔になるから静かにしてるわね。」
「な、なんの邪魔にもなりませんけど?!」
全く、おばさんはあたしが春岐を好きだと思ってるのかしら?そんなわけ…………あるんですよねぇ〜!だって、だって春岐小さい頃からすっごい優しいんだもん! それに、春岐だけがあたしと普通に話してくれる。みんなはなんだか距離がある感じ。みんなと一緒にいるのは楽しいけどどこか寂しくなる。って、そんなこと言ってる場合じゃない!早く起こさないと。
「ほら、春岐…」
かわいいいいいい!何?何この寝顔?!かわいすぎかよ!!口開けて幸せそうに寝てるじゃないの!くっ、あたしはこんなにかわいい春岐を起こさなければならないのか… よし、覚悟は決めた。いくよ!
やっぱり、かわいいいいい!無理ー!このまま横で寝るー!あ、やばい。堪能しすぎた。これは朝ご飯食べれないな、春岐。でもしょうがない。こんな寝顔で寝てる春岐が悪いんだもの!
「起きて春岐〜!ねぇ春岐?お〜い!!」
全然起きない。こんなにあたしが罪悪感を感じることなんてそうそうないのよ?!早く起きなさいよ!!
「ねぇ春岐ってば!」
「ふぇっ!」
「もうっ、や〜っと起きたんだから。
ほら、急いで支度して!急がないと学校遅刻しちゃうじゃん。」
「マジでっ!?ってあと20分しかねぇじゃん!
ヤバイ、ヤバイ!!
あ、小春、起こしてくれてサンキュな。」
「どういたしまして。そんなことより支度、支度〜」
「わかった、わかった。外で待ってて。」
ほらね。こんななんでもないとこでお礼を言える春岐がほんとに好き。でも春岐は多分あたしなんか見てない。優しい気持ちもあたしだけに向いてるわけじゃない。もちろんみんなに優しい春岐も大好き。でも…
あ、やばい。泣いちゃうかも。朝からこんなこと考えるから。
「悪い、待たせたな。」
「ほらっ、春岐、走るよ!急がないと置いてくよ!」
「ちょ、ちょっと待てって!」
少しだけ溢れた涙が、春岐に気付かれないように全速力で走る。走ってたらさっきのモヤモヤも消えちゃった。そうよ。あたしに気持ちが向いてないなら向けさせればいいのよ!! こんなに頭のいいあたしが全力で振り向かせようとしたら春岐なんかすぐよ、すぐ!
こんな感じで行きます。小春パートを読んだらもう1回春岐パートを読んでもらえると重なる部分があって面白いと思います。が、まだエピローグ1の分が終わってないので少しだけお待ち下さい笑
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