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エピローグ

 二学期。


 病院から寮に戻った翌日には、始業式と慌ただしく夏休みが終わった。


 貴重な夏休みを、血と汗と涙と複雑な感情で終えた俺の心は微妙だ。


 目標は達成出来た。


 こうして学園に残る事が出来たのは嬉しい。


 しかし、俺が学園に残っているのを知り、周囲のクラスメイトたちはヒソヒソと話をしている。


 ホームルーム前。


 俺は倉田先生が来るのを待ちつつ、重大な問題について考えていた。


「なんであいつがいるんだよ。退学だろ?」

「いつまでも戦士ジョブで何がしたいんだ?」

「先生に泣きついったって噂だよ」

「倉田先生、あの顔で意外と優しいからな」


 言いたい放題の周囲の意見などに構ってはいられない。


 内心では「この糞ガキ共が! 俺はお前らより凄いからな!」と思い、今からでも上下関係を叩き込みたい。


 だが、そんな雑事に構っていられるほど、俺は暇でもない。


 溜息を吐くと、周囲が空いている席を見ていた。


「そう言えば、一人来ないな」

「あいつ、学校辞めたってよ」

「あれ? でも、なんで空いている机が二つもあるんだよ」


 夏休みが終わり、クラス内から一人退学者が出た。俺と違い、本人の意志なのだから何も言うことはない。


 クラス内では、転校生でも来るのかと噂になっている。


 話は、次第に夏休みにどこで遊んだ、どんな経験をした、などというものに移り変わっていく


 周囲が青春を謳歌している時に、俺は血と汗にまみれていたわけで……滅茶苦茶羨ましかった。


 二年生の夏休みは、俺も海や山に行って青春を謳歌しよう。


 そうしよう。


 恋人や友人を作って、楽しく夏休みを過ごすのだ。


 いや、それなら冬休みに計画を立てて……。


 頭の中で妄想を膨らませていると、美人で可愛い奥さんが用意したスーツを着た倉田先生が教室内に入ってくる。


「さっさと終わらせて帰りたいなら、静かにしろよ」


 入ってきて、注意をする倉田先生はドアの方を見た。


「色々と連絡事項もあるが、最初に二人を紹介する。入ってきて良いぞ」


 教室に入ってくる二人の女子を見て、男子たちが歓声を上げた。


 俺は複雑な気持ちで二人を見る。


 一人は千夏だ。


 倉田先生に、挨拶をしろと言われホワイトボードに名前を書く。


「如月千夏です。よろしくお願いします」


「如月は第二校舎からうちにクラス替えだ。まぁ、分からない事は天野が教えてやれ」


 俺の名前が出ると、クラス中の視線が集まってくる。


 男子たちの嫉妬の視線が心地よい。


 一人の男子が手を上げた。


「先生、なんなら俺が校舎内を案内しますよ。如月さんも、こんな奴より俺の方が良くない? だってこいつ、未だに戦士ジョブの変わり者だよ」


 クラス内が笑い声で満たされる。


 ……いい。実に良い。


 そうやって最高のカタルシスを得るための前座がお前らにはお似合いだ。


 お前たちより俺が強いと分かったとき、どんな顔をしてくれるのか今から楽しみでしょうがない。


 最後に「ねぇ、今どんな気持ち? 最弱ジョブの戦士に負けて、今どんな気持ち?」って聞いてやる日まで、そうやって勝ち誇っていて欲しい。


 千夏は髪をかく。


「……悪いけど、太陽に任せるわ。そもそも、君のことは知らないし」


 千夏が名前呼びをすると、ザワザワと教室内が騒がしくなった。


 倉田先生が咳払いをする。


「あ~、あれだ。如月は、天野と正式なパーティーを組んでいる。一年生には少し早いだろうが……まぁ、色々と世話をするのも仲間の義務だ」


 男子たちの唖然とする顔。


 そして嫉妬に燃えた瞳。


 それらを涼しい顔で受け止める俺は、内心で高笑いをしていた。大声で「ざまぁぁぁ!」と言いたいが我慢するのが大人というものだ。


 そして、問題はもう一人の知り合いだ。


 かつて友人だった男は、今では俺の知り合いに格下げになっている。


 倉田先生が困った顔をしつつ、もう一人の美少女を紹介する。


「で、だ。もう一人は第一校舎からクラス替えになった――」


 金髪のゆるふわ女子が、ホワイトボードに名前を書いた。


「初めまして。【瀬戸 琉生】です。よろしくお願いしますね」


 内からあふれ出る違和感。


 目の前の可愛い女子が、まさかあのイケメン野郎だと誰が気付くだろうか。


 クラスの女子が小声で話をしていた。


「え、瀬戸君と同姓同名?」

「第一校舎だって。優秀なのに、なんでこっちに来たんだろう?」

「瀬戸君と知り合いかな?」


 流石は一年生でナンバーワンだった琉生だ。


 クラスの女子も名前を知っているらしい。


 ……そんな彼女たちに現実を教えてやりたい。




『この世界は、理不尽である』




 と……。


 琉生は笑顔で首を少し傾げていた。


 短いスカート。


 だが、千夏とは違って清楚な感じだ。


 イケメンは美少女になってもオーラが違うのだろうか?


「えっと……僕、じゃなかった。私がその瀬戸琉生だよ。女の子になりました」


 教室内が静寂に包まれる。


 誰もが反応出来ていなかった。


 俺だって反応に困る。


 男友達が、女の子になったのだ。


 倉田先生が肩を落として右手で顔を隠し、千夏もどこか疲れた顔をしている。二人の視線がチラチラと俺を見ていた。


 俺に助けを求められても困る。


 助けて欲しいのは俺の方だ。


 ただ、そんな状況の中で、いち早く男子の一人が再起動した。


 手を上げて琉生に問いかける。


「そ、その。なんで女の子になったんですか?」


 相手は野郎だが、今は見た目が美少女だ。男子も困惑しつつも顔を赤くしていた。


 琉生は笑顔で答える。


「ダンジョンで性別転換の秘薬を手に入れたんです。ずっと探していたんだ」


 あの日。


 病室で女の子になった琉生と出会った日。


 千夏はすぐに琉生だと気が付いた。


 俺はまったく気が付かなかったが、その理由を後から聞いたのだ。俺は耳を疑いたかった。


 千夏曰く「太陽は友達だと思っていたかも知れないけど、瀬戸は最初から恋人狙いだったんじゃないかな?」と。


 ……尻の穴がキュッ! ってしたね。


 まさか、自分が男に狙われているなど想像もしていなかった。


 だが、琉生曰く「ぼ、僕はホモじゃない。ただ、サンちゃんが好きなだけだよ!」……お前は生まれる性別を間違えた。


 だからと言って、性別が変わればなんの問題もないかと言えばそうではない。


 人間、簡単に割り切れないものがある。


 女子の一人が叫ぶ。


「な、なんで! 瀬戸君、勿体ないよ。瀬戸君みたいなイケメンが、女の子になりたいなんて間違っているわよ!」


 そんな女子の声に納得する女子一同だが、男子たちは「元男でもいいかも」などと言っている。こいつら、琉生のことを知らないからそんな事が言えるのだ。


 ただ、琉生は顔を赤くして少し身をよじる。


 その仕草は、下手な女子よりも女子らしい。


 可愛いと思ってしまった自分が憎い。


「そ、その……好きな人がいたから」


 ……何を言いだしているの、こいつ? 俺は倉田先生に視線を送るが、倉田先生も千夏も疲れた顔をして俺の方を見ていなかった。


 琉生が俺の顔を見て顔を赤くさせていた。


 それだけで、周囲は理解したのだろう。


 男子たちが歯を食いしばり、手に持った文房具を握りしめている。今にも血の涙を流し、俺に襲いかかってきそうだ。


 だが、女子の一人が立ち上がった。


「それこそおかしいよ! 男の子のままでいいじゃない!」


 このクラスにも腐った女子がいるらしいが、それはつまり俺に男の琉生から狙われろという意味だろうか?


 この女、本気で殴りたくなってきた。


 俺の純潔を何だと思っているのか。


 倉田先生が、溜息交じりに手を叩く。


「色々とあるが、とにかく落ち着け。ほら、お前ら二人も席につけ」


 空いている席に向かう千夏と琉生。


 倉田先生は、騒がしい教室内でホームルームを始めた。


「ほら、ホームルームを始めるぞ。取りあえず、二学期の予定だな。うちは体育祭や文化祭はないが、行事自体はあるからな」


 冒険者を育成するための学園だ。


 当然だが、行事に関しては冒険者の仕事に関係するものになってくる。


 騒がしいクラス内で説明が始まり、今後の予定が伝えられるわけだが……ほとんどのクラスメイトが聞いていなかった。






 始業式後のホームルームが終わり、俺は千夏と琉生を引き連れ学食に来ていた。


 注文したのは特盛りの定食である。


 周囲では同じように食事をしている生徒たちがいるわけだが、視線は俺たち――琉生に注がれていた。


「言いたい事は山ほどある訳だが、お前……両親に恥ずかしくないのか」


 せっかく男に生んで貰ったのに、女の子になるとかどうかしている。


 俺は情に訴える形で琉生を説得しようとした。


 だが、琉生は笑顔だ。


「でも、両親は喜んでくれたよ。本当は女の子が欲しかったんだって。だから、女の子になるって言ったら応援してくれたんだ」


 ……思い出した。こいつの両親は、琉生が小さい頃に女の子っぽい恰好をさせていた。


 琉生の両親は賛成派だった。


 千夏はストローでジュースを飲みながら、琉生の姿を見ている。


「それにしても、秘薬って凄いわね。本当に女子じゃない」


 琉生は少し怒っているように見える。


「お、女の子だよ。病院で検査して貰ってけど、ちゃんと子供だって産めるんだから」


 ……おい、なんでそこで俺をチラチラ見る?


 俺はデザートのプリンを食べつつ、琉生を説得する。


「とにかく、もう一度性転換のアイテムを手に入れるぞ。お前は男だ。自然の摂理に逆らうんじゃない」


 すると、千夏が俺を不安を抱かせることを口走った。


「でもさ、太陽。それって、今度は瀬戸が男になってあんたを狙う事になるんじゃない?」


 琉生は泣きそうになっていた。


「サンちゃん、もしかして男の子の方が良かったの? だって、サンちゃんの机の引き出しに隠していた本には、巨乳の女の子が一杯で……わ、分かったよ。僕、男に戻るから」


 なんでお前が俺の実家にある、お宝のことを知っている! というか、家を出る前に処分したぞ! いつだ。いつからお前は女の子になろうと思っていた!?


 というか、男の方が良いとかどういう意味だ!


「女の子の方が好きに決まっているだろうが! だが、お前は駄目だ」


 琉生が俯いて落ち込んでしまう。


 そして俺は千夏を見た。


「千夏、もうこいつに諦めて貰うには、彼女がいる方が良いと思うんだ。好きです、付き合ってください」


 俺の告白を、千夏は冷めた目で見ていた。


「そんな告白はお断りよ。大体、あんた病院では私が惚れるまで待つ、って言ったじゃない」


「お前が健康になったならそれでいいじゃん。後からその話を聞いて、俺がどれだけ後悔したか分かるか?」


 実は健康になっていました、なんて聞いた日に俺は激しく後悔したんだぞ。


「……私が今、その話を聞いてどう思うか分かる? あの時の感動を返しなさいよ」


 千夏の体が健康になるまで待つつもりで、抱くのを断ったのに……本人が、既に健康になっているとか詐欺も良いところだ。


 知っていたら、迷わず抱いていた。


「もうお互いの初めてをトレードしようよ。そしたら、こいつも諦めてくれるって」


 だが、琉生の返答は俺の想像の斜め上を行く。


 顔を上げ、そして少し悲しそうにしながらも俺に言うのだ。


「サンちゃん……僕、二番目でも良いよ」


 本当は嫌だが、我慢しているような雰囲気。


 見ているだけで可哀想になってくる。


 まるで俺が悪い男みたいではないか!


 俺もハーレムを作るとか目標を持っていたが、実際に複数人と付き合うことを真剣に考えていなかった。


 ……駄目だ。俺では、ハーレムを作れない。


 ラノベの鈍感主人公を嘲笑っていたが、彼らは俺などよりもっと上の存在だったようだ。俺は、彼らの足下に及ばない存在だったのか……。


「止めろよ。良心を抉るような台詞は……止めろよ!」


 あのまま何もなければ、今頃は千夏と関係を持っていたはずだ。本当にこいつは空気を読まない。


 千夏が溜息を吐いていた。


「このヘタレ。あんたが強く拒否すれば終わりじゃない」


 そんな千夏の言葉に、琉生は強く否定していた。


「僕は――私は諦めないから。絶対にサンちゃんを振り向かせてみせるから」


 なんでそこを頑張るの?


 ちくしょう……こいつが最初から美少女だったら、何の問題もなかったというのに。


 千夏が俺を見る。


「で、どうするのよ?」


 俺に決めろと迫っているように感じる。


 だから、俺は一度深呼吸をして……。


「取りあえず保留で」


 この話は棚上げしておく事にした。


 千夏は呆れつつも俺らしいと呟き、琉生は微笑んで必ず振り向かせるからと言いやがる。


 いったい……俺はどこで道を間違えたというのか。






 校舎屋上。


 影になっている場所に横になる俺は空を見上げていた。


 青空に白い雲。


 風が気持ち良い。


「いったい俺にどうしろっていうんだ」


 男友達が実は俺を狙っており、女の子になってしまった。


 ……自分でも何を言っているのか分からない。


 しかも、可愛いから余計に困る。


 これで不細工なら断る方向に話を持っていける。だが、可愛いから勿体なくない? なんて気分になってしまうのだ。


 自分でも驚くほどに俗物だが、そんな自分が嫌いではない。


「せっかく色々と片付いたのに、後から後からややこしくなる」


 綺麗に斬って片がつくだけ、ダンジョン内の方が面倒事は少ない気がしてくる。


 世の中、個人の力だけではどうにもならない事が多すぎる。


 欠伸をしていると、人が近づいて来た。


 足音で千夏と分かる。


 顔をそちらに向けると、千夏が少し驚いた顔をしていた。


 手にはペットボトルのジュースを持っている。


「なんで気が付くのよ」


 気配を消していたらしいが、まだ甘い。


 風が吹き、千夏の短いスカートが揺れて下着が見えた。


 今日も良い日だ。


「……金を取るわよ」


 見られたことに気が付いたのか、千夏が俺の横に座るとジュースを渡してくる。俺がよく飲んでいるジュースだった。


「そう言えば、ダンジョンに挑む前にも言われたな」


 千夏は自分のジュースを飲む。


「あんたの視線はエロいのよ」


「男だから仕方がないね。金ならあるから、なんなら支払うから見せて貰おうか。さぁ、早く!」


 今の俺は以前よりもお金持ちだ。


 組合に貯金を管理され、月々の小遣いは上限が決められているが。


 欲しい物を買う際にも、組合に申請しないとお金が使えないが。


 それでも、財布に三千円しか入っていなかった時とは違う。


 千夏が笑う。


「別に良いけど、本当に高くつくわよ。人生賭けるつもりでなら、見せてあげても良いわ」


「……それ、重すぎるだろ」


 人生を賭けろとか、高校生には重すぎる話だ。


 ジュースを一口飲み、そして空を見上げようとすると千夏の顔が近付いた。


 気が付けば、キスされている。


 軽く唇が触れる程度。


 千夏はすぐに離れると、顔を赤くして立ち上がっていた。


「元男に負けるのも嫌だからね。太陽は馬鹿だから私が付いていないと駄目だし。口だけのヘタレな太陽が我慢出来なくて襲うくらいに良い女になるから、待っていなさいよ」


 手を振って千夏が屋上から去って行く。


 俺は唇に手を触れた。


「……異世界でチートでハーレムの夢が叶った、だと」


 今なら、本気で神様にありがとうを言える気がする。


 まぁ、使命はまだ終わっていないし、十分の一くらいしか果たせていない。


 このまま気を抜けば失敗して魂が消滅するわけだが……今だけは喜んでいても良いのではないだろうか?


 まぁ、ハーレムに関しては、一人が男である。


 そもそも、諦めて貰う方向で話を進めるので、ハーレムとも言えないかも知れない。


「あれ? よく考えたら、死にそうな目に遭って手に入れた力だから、別にチートでもないような……だって努力したし」


 小さい頃から体や攻撃スキルを鍛え、ダンジョン内でも何度も危険な目に遭ってきた。


 これをチートなんて言われたら腹立たしい。チートならもっと楽に生きているはずである。


 よく考えてみると、チートでハーレムでもなかった。


 俺の勘違いだ。


 それにしても、戦士ジョブの強さは異常だ。聞けば、あの糞猫は結構強いモンスターだったらしい。名前は覚えていない。だって、色々とあってそちらに集中出来なかった。


 千夏が余命宣告を受けていると聞き、琉生が女の子になったのだ。糞猫のことを気にかけている暇などなかった。あの猫、今度またあったらボコボコにしてやる。別の個体だろうが関係ない。


 時間が出来たので少し考えてみる。


 過去に戦士ジョブにこだわった人たちもいたと聞く。戦士ジョブに出来る事は少ない。だったら、彼らも俺と同じ答えに行き着かないだろうか?


 たった一つの攻撃スキルを磨き、自分自身の強さを磨く方向にすぐ辿り着くはずだ。


「それでも成功しなかったのは、やっぱり武器なのか?」


 一人では弱く、周りの助けがなければ先に進めない戦士ジョブだ。


 俺も無理をしてブレードを二つ潰している。


 一人では稼げたかどうかも怪しい。


 ジョブと武器、この二つが揃ったのが大きな理由なのだろうか? なら、戦士ジョブが軽視されても仕方がないというのは、俺の刀の素材軽視が原因ではないか?


 いや、そもそも頼りになる仲間がいないから、その真価を発揮出来なかったのでは? 俺に千夏がいたのは、まさしく幸運ではないか?


 ……よく考えてみたが、俺は成功したので考えるだけ無駄だと気が付いた。


 これから戦士ジョブなどの評価も変わってくることだろう。まぁ、俺の功績はまだ伏せられているので、いつ再評価されるか分からないが。


 その時まで、周りで俺を馬鹿にしている奴をニヤニヤ見て楽しもう。


 俺や戦士ジョブに俺の刀が再評価される日が、今から待ち遠しくて仕方がない。


「さて、残る問題はやっぱり琉生だな。正直可愛いけど、ハーレムはちょっと……」


 よく考えると、複数の女性と付き合うなんて難易度が高すぎる。


 取りあえず、千夏と関係を持つことから始めるべきではないだろうか?


 ジュースを飲み、空を見上げる。


 今回の夏休みの出来事を振り返った。


「……まぁ、色々と良い結果に終わって良かったよな。学園にも残れて、千夏は借金も返済して、体も健康になったし。琉生の奴だけは問題だけど」


 夏休み、頑張っただけの成果はあった。


 今はただ、手に入れた学園生活を楽しむとしよう。


 どうせすぐに忙しくなるのだから。


 最強ジョブの戦士で、暴れ回るその日まで……学生生活を楽しもうではないか。


いかがだったでしょうか?


楽しんでいただけたのなら幸いです。


活動報告にて後書きのようなものを書かせて頂きます。


そちらも読んでいただければ嬉しく思いますので、作者のページを見ていただければ、と。


それでは、ここまで読んでいただき大変ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
この作品を読むといつも夏の晴れ渡る青空の下、校舎屋上に横たわる少年たちの情景で満たされる。それは清涼飲料水のCMさながらに理想の中の青春を、若さの活力を心に思い起こしてくれる。 長編として書き起こすた…
続き書くんですよね? もう構想は出来てるんですよね? 後は書くだけですよね?
[一言] これの続き見たすぎる、、、
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