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第17話 「感謝」

トイレであんな目にあった俺は当然のごとくカレー弁当を食う気にはならなかった。

腹の減り具合もさっきと比べて格段に落ちた。

しかし、何も食わないというのは体に悪い。

老後のことなどを考えると非常に危険である。

そう考えた俺は近場のパン屋に行くことにした。

カレー弁当は小林さんにあげよう。

俺はカレー弁当を片手にパン屋へと向かった。

途中で小林さんに会うだろうと思っていたのだが姿が見当たらない。こうなったら小林さんの家まで持っていってあげよう。


そう思ったその時、後から「誰だ!」という太い声がした。

振り返ると小林さんが立っていた。

「小林さん!!」


小林さんが発した「誰だ」の意味はよくわからなかったが、

これで小林さんにカレー弁当を渡すことができる。


「小林さん、あのですね。今から僕は小林さんの家にこのカレー弁当をお届けに行こうと思っていたところなのですよ。

どうぞ」

俺は小林さんにカレー弁当を差し出した。


「いいのか?」

小林さんは半信半疑で空を見あげた。

「当たり前です」

俺は手でgoodの合図を作ってみせた。

「う・・・うまい」

弁当屋が精魂込めて炊き上げた白米に3日間ほどねかせられていたであろう香ばしいカレールーが贅沢なカレー弁当。

そのダイナミックな味に小林さんは酔いしれた。


「小林さん、ひとつ聞いてもいいですか?僕は、、」

と小林さんの方を見ると、もう小林さんはそこにいなかった。


ふと足元に目をやると手紙が落ちている。

その手紙には「うしろ」と書かれていた。


後を見ると小林さんが立っていた。

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