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第16話 「進歩」

俺は起死回生にもトイレから出ることが出来た。

まあこれは日頃の行いが格段に悪いがそこんとこを気にしなかったおかげであろう。


トイレから出た俺はどうしたか。

まずは手を洗いに行った。

そこでふと思った。

ウンコした後はなぜ手を洗うのだろうか?

ウンコした後に手を洗うのが当たり前の世の中となっている今、そのことをもう少し掘り下げて探究すべきである。

なぜ手を洗うのだろうか?


小便の後に手を洗うのには納得がいく。

直接ちんちんに触れるわけだし、飛び散った小便が手にかかったりすることもあるわけで、手を洗わない奴の方がどうにかしている。頭がおかしいんじゃないか?


ウンコの場合は直接手でウンコを拭くわけではないし、

それを丸めたりこねたり塗りたくるわけでもない。

第一ウンコした後に手にウンコが付く状態になるような奴と俺は友達になりたくない。

そして俺はそんな奴を軽蔑する。

一生恨む。


だからウンコした後に手を洗うことにどうも納得がいかないのだ。

洗うのは手ではなくケツの方ではなかろうか。

そういえば小学生の頃、「俺は毎日風呂でケツの穴を洗う」と発言すると周りの連中におおいに馬鹿にされた。今思えば非常に怖い思い出である。

俺はケツの穴洗いを何年も放置していた奴らと鬼ごっこしたり修学旅行に行ったりしていたのだ。

考えただけでもぞっとする。


とりあえずウンコした後に手を洗うことを俺は許せないし

許したくない。この祈りは誰にも譲りたくない。


直接触れていないと言っても、トイレットペーパーで間接的にケツやウンコに触っているから手を洗うというような死体に花を植えるような冷めた意見も却下である。

それならば、手だけでなく全身を洗え。

髪の毛もちゃんとコンディショナーまで洗え。

服もクリーニング屋のおばはんに負けないくらいの勢いで洗え。

ついに俺は激怒した。


外に出た俺は近所に住んでいる三太をおもいっきし金属バットで殴打した。血が出たが、親には言わないと三太は言ってくれた。

家に戻り冷静に考えてみると、やはりウンコした後は手を洗った方が良いという考えに落ち着いた。

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