第1話 「学校」
俺の通っている学校は未だに木造で、他学校の奴らからは「極端にダサい」と高い評価を得ている。
自転車で通学する際にはヘルメットを着用しなければならないのだが、ヘルメットも木造だったため、よく近所のおっさんに火を付けられた。
一度、これによって隣の家の和喜君が焼け死んだ。
和喜君のお父さんからは、「和喜が死んだのはめっさ悲しいし、とても泣きそうだが、焼却の手間が省けたのは不幸中の幸い」という何とも和喜君のお父さんらしいメッセージが寄せられた。
和喜君の葬式には俺も参列させてもらったのだが、バラエティーに富んだラインナップのゲストばかりで楽しかった。
特に飯田君の手品には度肝を抜かれた。
一万円札をライターで灰になるまで焼いても、飯田君の指パッチン一つで綺麗な一万円札に戻ってしまうのだ。
壮大な手品大会の後、和喜君のお父さんが飯田君に「和喜にもその手品を施してくれないか」と交渉していたが、流石の飯田君も「それは無理」と苦笑い。あえなく却下されていた。
和喜君のお父さんは修行を積み、手品師になった。中国の延剛洞で経験を重ね、遂には麓師檀になった。弟子の伴班からは「断血灰対、門司事欠濫尿示現相唐隋和喜父否乳揉吸叩挟乳輪大」とまで言わせる程の努力の人であった。
最近アイポッドを購入した。今はこれなしでは通学できない程に愛用している。20Gの容量が入る代物だ。俺は歯が白くなりたいという思いから、このホワイトを選んだ。今日もアイポッドを片手に通学する。学校は自宅から歩いて5分のところにあり、雨の日でもあまり濡れずに行けるから便利だ。特に台風の日なんかは風がとても強いからアイポッドは20Gも容量が入るから便利だ。今日はいつもより足取りが軽い。何故なら明日から夏休みだからだ。今日は夏休みから1をひいた値だ。