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魔法と刀で異世界ハーレム  作者: 邦継
第一章 人族領 赤い虚栄編
18/18

第一章17 「宿屋での休日、そして旅立ちの決定」

 Sideカイ

 

 無事? にハクにグィネラを紹介し、セバスさんのご厚意により2人と共に俺の泊まっている宿ノルダムの端っこ亭に戻ってきた。

 

「女将さん! 今日から部屋を二つ追加で頼みたいんだけど」

 

 宿屋に戻って最初の一言はこれだ。

 とりあえず同じ部屋に泊まるのはいかがなものかと思い、先手必勝と言わんばかりに俺は女将さんにそう告げた。

 

「あら……。あんたもなかなかやるねぇ。女の子2人もひっかけて来て」

 

「断じてそういうのじゃないよ」

 

「そうかい? 後ろの女の子たちはまんざらでもなさそうだけどねぇ」

 

 そう言って女将さんはニヤニヤと言った顔で俺を見てくる。

 ひっかけてきたとかそういう話ではなく……なんて言っても通じるような相手でもないしなぁ。

 

「なぜ部屋が一緒ではないのか……?」

 

「カイ様は照れ屋さんなのですね」

 

 おい、後ろのお二方。そういうのでは断じてない。

 ただの意気地なしなだけです。

 

「まぁ、部屋は余ってはいるけど……、今後とも御贔屓(ごひいき)にってことで相部屋にしておくよ!」

 

 ……え!?

 

「それでよいのじゃ!」

 

「はい! お願いいたします。女将さん」

 

 えー……女将さんのお節介ならぬご厚意により、女の子と文字通り一つ屋根の下に生活することに相成りました。

 だからなんでこの世界の女の子達はたくましいの? 精神的な意味で!!

 ここで元日本人の空気に流されやすいという特性が恨めしく同時にありがたいと思った瞬間なのだった。

 

 

 ☆

 

 

 Sideダグラス

 

 カイたちの報告が終わり、宿屋へと戻っているだろう頃。

 領主であるダグラスは頭を悩ませていた。

 どう兄である国王に報告するかという事についてだ。

 ダグラスはヒュマノス王国の第二王子であり、白魔の森と呼ばれる国指定の危険地域を任されるほどに国王からの信頼に厚い人物である。

 しかし、今回の件については頭を悩ませるしかなかった。

 白魔の森にはドラゴンはいない。バジリスクと呼ばれる石化能力を持った蜥蜴ならいるのだが……。

 それどころか、何者か……少なくとも腕の立つ魔法使いがこの事件にかかわっているのは事実だ。

 人族の魔法使いは数多くいるが、ドラゴンを別の場所へと転移させられるほどの魔法使いはそうはいない。

 だが、ダグラスの記憶にはそのような魔法使いの記憶はない。

 もともと転移魔法というのは伝説や童話などに出てくる英雄などが使っていたものである。

 現時点で使えるのは誰一人としていないはずだった。

 使えそうな人物は先ほど目の前に座っていたが、彼がそのようなことをする必要性がない。

 このようなまどろっこしい手段を取らずとも、彼ならばその力で何事も叶えてしまえるからである。

 これはギルドマスターのガインとも意見が一致している。

 実際に戦った相手のことは多少わかると言っている彼であるが、あれは人の限界を超えた強さだと言っていた。

 それに保有する魔力の量も桁外れ。

 人格的には敵には容赦はなさそうだが、一緒にいる巫女殿を見れば性格はいい方だろう。

 女性限定という言葉がつかなければいいがな。

 

 そこまで考えていると笑みがこぼれた。

 ふと国王である兄の姿が目に浮かんだからだ。

 自分の兄もカイと同じような性格だからだ。

 遠方で苦戦していると連絡が入ればすぐに援軍を送り、あまつさえ自分自身が救援に出る始末。

 自分の命は二の次で、それで私たち臣下が苦労をするのだが……それを差し引いても兄の行動には手助けをしたくなる。

 そのような人物だ。

 一方敵に関しては容赦がない。

 本当に容赦がない。

 外交交渉などにも自ら他国へとおもむき、ヒュマノス王国の有利になるような条件を他国に飲ませて帰ってくる。

 その時の兄の姿は見たことはないが、一緒に行っていた兵士に話を聞くと、それはそれは恐ろしいものだったという。

 その顔は先日のカイ君のような表情だったのだろうなとさらに笑みが深まる。

 

「それならば……彼自身に国王に報告してもらうのがいいだろう」

 

 それに絶対に兄である国王は彼のことを気に入るはずだと……。

 カイのあずかり知らぬところで王都への旅が決められていたのだった。

 

 要約

 

 少し面倒ごとがあったが、無事に宿へと戻ってこれたカイたち。

 宿の女将さんのご厚意? により、ハク達と相部屋となった。

 そして領主の館の中では、カイの王都への旅が本人のあずかり知らぬところで決定していたのであった。

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