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魔法と刀で異世界ハーレム  作者: 邦継
第一章 人族領 赤い虚栄編
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第一章15 「その幼女”グィネラ”」

 Sideカイ

 

 とりあえず今の状況を整理しよう。

 今目の前には真っ赤なドレスのような衣装を着た幼女がいる。

 この幼女はさっきまで俺と戦っていた屈強なドラゴンだった。

 ……何があったんだ?

 

「あーえっと……とりあえず、色々質問いいか?」

 

「うむ、よいぞ。それにしても良いのか主殿? 街へ帰らねばならぬのだろう」

 

「予定変更だ。今ここで聞いておかないと後々混乱しそうだからな」

 

「そういうことならよいぞ! なんでも聞いてくれ!」

 

 元気がいい幼女で……。

 

「まず、なんで人の姿になったんだ?」

 

「さっきも言っただろうが、我らドラゴンはあまり人族やその他の種族に見られると面倒なことになる。例えば我らの血は万病に効く薬の材料になると考えられておってな、それで無用な争いを避けるようにと掟がある」

 

「……それで?」

 

「うむ。それでご先祖様たちが総力を決して編み出したのが、この”人化の魔法”なのだ」

 

 ほぉ……魔法って作れるのか。

 

「今のはその人化の魔法を使ったってことでいいのか?」

 

「そういうことだ!」

 

 ない胸を張って自慢げに言う。

 ……これからどうしようか。

 

「とりあえずその姿なら人の街に入っても大丈夫ってことだよな?」

 

「そうなのだが……。ドラゴンの里以外行ったことがないのでな、少し不安じゃ」

 

 ドラゴンでも不安とかあるんだ。

 

「もし粗相でもしようものなら、主殿に迷惑がかかるしのう」

 

「あー……もしもし。その主殿ってのは何なんだ?」

 

「む? この私に勝ったのだぞ。里の掟により、今から主殿を守る従者として行動を共にするのだ。それに、主殿はそこらの軟弱な人族などではなく、ドラゴンを従えるに値する英雄のような強さじゃ。誇ってもよいぞ!」

 

 ははっ。いい笑顔で言いやがる……。

 よくよく考えてみたら、ドラゴンが従者……なんかかっこいいかもしれない。

 ……いやいやいや相手は幼女だから。

 

「今から少し街に入るために色々教えておくが……。 俺は今回調査という形でこの森に来た。だから何か報告するために証拠などがほしいところなのだが、グィネラがドラゴンということを街の領主に報告することにする」

 

「あ、主殿? 我の話を聞いていなかったのか!?」

 

「大丈夫だ何かあれば俺が守るし、これから行く街の領主は俺には逆らえない。 いい具合に隠してくれるさ」

 

「うむ。 ……すごく悪い顔をしているのは指摘しないほうが良いかのぉ」

 

「何か言ったか?」

 

「いや、何でもない。 そのような強気な主は好ましいぞ! それに我を守るか……ますます惚れ直してしまうぞ」

 

「あ~、はいはい」

 

 こうしてドラゴン”グィネラ”と異世界の侍”カイト”の両名は帰路に就くのであった。

 

 

 ☆

 

 

 街について一目散に領主のところへ行った。

 あちこちでは森が燃えていることに不安がる声が上がっていたが、領主がすでに調査隊を送ったとお触れを出していたのでしばらくは安心だろう。

 ……まぁ、調査隊は一人しかいないのだが。

 青年の姿を見た番兵はすぐに領主のいる部屋へと通した。

 今は青年とグィネラ、反対側に領主とギルドマスターが座っている。

 

「それで原因はわかったのかね?」

 

「調査してきた人に対して労いはないのですかね?」

 

「え!? あぁ……あぁ。君は随分と強いからね。そのような心配をするのは逆に失礼かと……」

 

 冷や汗をかいて快をなだめようとする領主。

 

「まぁ、そういうことにしておこう」

 

「ふぅ……」

 

 ギルドマスターも冷や汗をかいていたようだ。

 

「まぁ原因の一つは解明したという所かな?」

 

「一つ?」

 

「あぁ。今回の事件は森での出来事のほんの一部ということろだろう。現に今回の件の黒幕はわからずじまいだ」

 

「ふむ……。今後とも調査を続けていかねばならないということか」

 

「そういうことだ」

 

 ここで領主とギルドマスターが隣に座っているグィネラに注目する。……そりゃぁいきなり俺と一緒に現れたのだから気にはなるだろう。

 

「こいつがその原因の一つだ」

 

「うむ。あの森に火を放ったのは我ぞ」

 

「「え!?」」

 

「われの名はグィネラ。誇り高きレッドドラゴンぞ」

 

「「ドラゴン!!」」

 

 いや、二人して同じ反応しても面白みがないから。

 

「そういうことだ。今回の件はドラゴンが何者かの手によって転移魔法であの森に呼ばれたからということだ」

 

「しかし、ドラゴンを転移できるほどの高位の魔術師か……」

 

「ちなみに言うと人族が使う魔法らしいぞ」

 

 そういうとますます考え込む領主。

 俺からしたら魔法に違いがあるのがよくわからないが、癖とかそういうものだろう。

 

「この件に関しては国王に報告してから判断しよう」

 

「グィネラに関しては面倒ごとにはしないでくれよ」

 

「それは……」

 

「貸しと脅しな」

 

 それを言うと二人とも苦虫を嚙んだように顔をゆがめる。こういっておけば何とかなるだろう。

 グィネラと二人でやれば国から逃げることもできるだろう。

 ……楽観的で不安定だが、それくらいが楽しい。

 

「善処するとだけ言っておく」

 

 そのあとすぐに領主の館を出てハクのもとへと向かうのだが……。

要約

 幼女となったグィネラに驚くカイ。

 仕方なく街へと連れて行くのだが、領主もギルドマスターも困惑する。

 今回の一件はほんの始まりに過ぎないのだろうか?


累計 60,000PV 19,800アクセス ありがとうございます!

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