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魔法と刀で異世界ハーレム  作者: 邦継
第一章 人族領 赤い虚栄編
14/18

第一章13 「ドラゴンVS侍」

 皆さんご無沙汰しております。

 kaitoです。

 

 数か月更新せず申し訳ありません。

 ろくに食事もできないような状態になっていたため、執筆活動を中止しておりました。

 それなら活動報告で書けって話ですよね……すみません。

 今後は1~2週間に一話投稿できればと思っております。

 詳しくは活動報告をごらんください。

 Side快

 

 辺りには木々の残骸が散らばっている。

 かつては美しい社が建っていたのだが、見る影もなくなっしまった。

 そして残骸の中心には真っ赤なドラゴンと黒づくめの男。

 男は日本刀を使い、うまくドラゴンの爪や尻尾での薙ぎ払いをかわしていく。

 身に着けている胴着は所々破けているものの、体には一切傷はついていない。 紙一重で避けているということらしい。

 かれこれ戦闘が始まってから30分程たっている。

 試合ならある程度の疲労で済むだろうが、これは命を懸けた真剣勝負である。

 心身ともに疲弊しきって、立つのがやっとくらいになるはずなのだが……両者ともそのような素振りは一切ない。

 

『先ほどの威勢はどうした? 防戦一方のようだが?』

 

 ドラゴンの声があたりに響きわたる。

 

「これからだよ。これから」

 

 この世界でもドラゴンというのは力の象徴である。

 王族を示す印にも使われるほどだ。

 そのドラゴンを一人で倒そうなどと思えるのは、伝説に出てくるような勇者でなければ無理であろう。

 ドラゴン討伐というのはこの世界で不可能に等しい。

 ……今この時まではそのように思われていた。

 

『さて、久々に楽しい時間を過ごすことができたが、そろそろお遊びも終わりにするとしよう』

 

 そういうとドラゴンは攻撃の速度を早めてきた。

 さっきまでは小手調べだったと言わんばかりに、両手での薙ぎ払いや地面へのたたきつけ。さらに尻尾での追撃など、常人ではとてもではないが一瞬でつぶされかねない攻撃を仕掛けてくる。

 

「おっと」

 

 その攻撃をこのような軽い声を上げながら避け続けるこの青年もドラゴンと一緒で怪物というのだろうか。

 それでいて刀で反撃を仕掛けているという離れ技をしているあたり、怪物と言われても文句は言えないだろう。

 

『ぬぅ……』

 

 真横から来る振り払いにはしゃがんだり、勢いを利用して距離をとったりなど、大道芸人よりも身軽にかわしていく。

 そして隙あらば刀で斬撃をする。

 尻尾での薙ぎ払いには一気に急接近して、ドラゴンの足元をスライディングでくぐって回避したりと……。

 とてもではないが真似のできないような方法で躱し続けている。

 そのような戦闘を繰り返していくと、ドラゴンの方から感心したかのような声聞こえてくる。

 

『ここまで粘ったのはお主が初めてかもしれぬな』

 

「それはどうも。それで? この後は?」

 

『フフフ…………。これほどの強者と会えたのも何かの縁だろう。それならば我の全力を見せることにしよう』

 

 そう言いながら、ドラゴンは口を大きく開け息を吸い込んだ。

 息を吸うたびに口の中から炎が渦巻いていく。

 数秒もしないうちに口の中に納まりきらなかった炎がドラゴンの周りに渦を巻くようにあふれる。

 そのような不可思議な現象を見たにもかかわらず、青年は一向に笑みを絶やさない。

 ……というかますます笑みを深めている。

 

「そうそう、そういうのを待っていたんだよ。ドラゴンと言えばブレスだよね。うん」

 

『何をごちゃごちゃと。これを食らえば人間ならば一瞬にして消し炭になるだろう。……そのような状態でもまだ笑うとは。面白い人間もいたものだ。気でも狂っているのか?』

 

「いやいや、全力で闘いを楽しんでいるだけだよ」

 

『それを狂っているというのだ!!』

 

 そしてドラゴンの真っ赤なブレスが放たれた。

 地面を溶岩に変えながら迫ってくる高温の炎。

 遠く離れていてもチリチリと頬を焼く程のブレスを前に、青年は平然としている。

 

『少し惜しいが、消えてもらおう』

 

「それはちょっと遠慮したいかな」

 

 その言葉が聞こえていたのかは知らないが、ドラゴンは言葉を失うことになる。

 青年の持っている刀がひかり、それを地面に突き立てたかと思うと、ブレスが青年の前で止まってしまったのだ。

 

『な……!?』

 

 驚くのも無理はないだろう。

 ドラゴンのブレスというのは鉄なども瞬時に溶かすほどの威力を持つのだ。

 それが分けもわからない、魔法かもわからないものを使って無傷でいるのだから。

 

「おぉ。ぶっつけだったけど何とかなったな」

 

『何をしたのだ一体!』

 

「”陣”ってしってる?」

 

 ”陣”というのは一種の結界のようなもので、現代日本で青年が習得している黒羽流で威圧で敵を吹き飛ばすというものだ。

 それが現代日本よりも危険なこの世界で通用するのは、先代たちの努力の結果というのか、青年の強さへの執着がなせた業なのか。

 どちらともだろう。


 そしてドラゴンが気を取られブレスを弱めた瞬間に、一気に青年は接近し――


「おらぁ!!」


 ドラゴンの顎を思いっきり刀の頭で殴りつけたのだ。

 竜の逆鱗と呼ばれる逆さに生えている鱗をめがけて……。


『ウグゥ……グゥウウウウ』


 たまらずドラゴンは倒れ込む。

 弱点なのを知っていたのかは不明だが、青年はドラゴンに決定打を打てたのだった。


「さて? どうやら弱点を殴ったみたいだけど……次はどう来る?」


 青年もこれで終わったとは思わず、次のドラゴンの攻撃に備え構えている。

 しかし、いくら待ってもドラゴンは起き上がってこず、燃え盛る森の中一人でたたずんでいるだけである。


「え? ……もしかして、気絶でもした?」


 これで終わりなの? と言わんばかりに青年はドラゴンに話しかけるが、返事は帰ってこない。

 実はこの世界のドラゴンは逆鱗を強く殴るだけで気絶するほどの激痛を味わうのだ。

 この事実は誰も強いドラゴンと戦おうと思わないため、弱点らしい弱点はないだろうとの先入観でろくに調査はしていなかったため、この世界では知られていないのだ。


 こうして青年とドラゴンの戦闘はあっけなく幕を下ろしたのだ。

 要約

 ドラゴンとの戦闘に心躍らせている快。

 両者とも決定打を打てずに時間だけが過ぎてゆく……。

 そこでドラゴンの渾身ブレス攻撃が快に迫る。

 

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