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魔法と刀で異世界ハーレム  作者: 邦継
第一章 人族領 赤い虚栄編
12/18

第一章11 「森の中に潜むもの」

 Side快

 

 翌日、俺はギルドが用意してくれた馬に乗って早朝に白魔の森へと出発した。ハク達と挨拶をしたほうが良かった気がしたが……。少し嫌な予感がするので急ぎ気味で街を出て来た。今はちょうど白魔の森を見ることができる少し小高い丘の上で休憩をとっているところだ。

 

「……すまないな、もう少し頑張ってくれ」

 

 ここまで付き合ってくれた馬をなでながらそう話しかける。ハク達と一緒の時はゆっくりだったとはいえ、馬車を引いた馬で4日かかる道のりを数時間で半分ほど走らせたのだから、だいぶ無理をさせていると思うのだが、まだまだ元気だとアピールしているかのようになでている俺の手に自分の頭を押し付けてくる。だいぶ人懐っこい馬のようで、興奮して暴れることもなくここまで安全に来れている。

 さて、残り半分の道のりを一気に縮めて依頼をサクッと終わらせよう。そう思い俺は馬にまたがり森へと向けて出発をしようとしたところで森の異変に気付いた。

 

「森から……火の手が」

 

 白魔の森のところどころから黒い煙や燃えている木々が見える。……どうやら俺の嫌な予感は当たったようだ。

 

「少し飛ばすぞ!」

 

 俺は馬の腹を蹴り、急いで白魔の森へと向かうのだった。

 

 

  ☆

 

 

 Side??

 

 白魔の森の中央付近には祭壇がある。かつては精霊信仰をしていた者たちがこぞって音連れていたところなのだが、最近では信者も少なくなり。知る人ぞ知る場所となってしまった。そんな祭壇の前に男女二人の影がある。

 

「アルスト。これ面倒じゃないか?」

 

「……本当に面倒くさがりよね。あなたは」

 

「しょうがないだろう。そういう”存在”なんだ」

 

「それもそうね」

 

 二人は目の前の惨状さんじょうに目もくれずに会話を続けていた。2人の目の前の祭壇は跡形もなく破壊されており、さらには周りの森に火の手が上がっている。とてものんきに会話できる状況ではないし、こんなに落ち着いているのは異常である。しかし、この二人は気にしている素振りすらなく会話を続ける。

 

「この後の結果がどうなるかわわからないけれど、少なくとも計画を進められることは間違いないわよ」

 

「……それはわかっているが、それにしても……面倒だ」

 

「その面倒は私がすべてやってあげたんだから、少しは仕事をしてよねベルロース」

 

「はいはい」

 

 そう言って大斧を背負った男はゆっくりと無残な祭壇を後にし、森の中へと姿を消した。残った女は祭壇の残骸を見つめながら何かつぶやいている。

 

「さて、神の使いはどこまで奮闘ふんとうしてくれるのかしら?」

 

 そういうと女は何処からともなく吹いてきた風と共に掻き消えた。後には燃え盛る炎が残るのみであった。

 

 

  ☆

 

 

 Side快

 

 白魔の森の入り口までは馬で来れたのだが、近づいた瞬間に森から魔物たちが大量に飛び出してきたため馬を逃がして戦闘中である。相手はいつも通り、ホワイトクラスの熊やらイモリもどきだ。

 

「まったく! ゴキブリみたいに沸いてくるなって!」

 

 右から来る火の玉を斬り捨てて。下から来る熊のアッパーカットを横に移動して避けながら腕を切り飛ばし……。みたいな感じで千切っては投げ千切っては投げをくり返しながら森の奥へと進んでいく。

 どうやら火の手は森の中央部分から上がっているらしく、この森の異変もそこに原因があるだろうと見当をつける。……まったく、異世界初の依頼がこんなにも大事になるとは思いもしなかったよ。

 そのあともひっきりなしに現れて来る魔物たちを斬り続け、数十分後。ようやく魔物たちが出てこなくなったところで状況を少し整理する。

 

「……ふぅ。とりあえずは一段落かな。とりあえず素材とかは回収していくけど……。このペースでこいつらを斬っていったら、何年分のお肉が手に入るのだろうか」

 

 一匹一匹はさほど強くないので大丈夫なのだが、さすがに森の隙間を埋めるような数が一気に来られると骨が折れそうになる。まぁ実際にはそこまで忙しくはないのだが。

 さて、寂しく独り言を喋るのはやめて真面目に探索を開始すると使用か。そう思い、俺は魔物たちの喧騒けんそうと焦げた匂いのする不気味な森を進んでいく。

要約

 主人公:急げー!!

 ???:どうなるかな?


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