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初めてのarticulation・3・


 小さい時から街に出ることがなく、両親とお祖母ちゃんだけの世界だった。


 私の容姿がお祖母ちゃん似だという事もあり、両親があまり街に連れ出されなかった、ってのもある。

 それに、森でお祖母ちゃんと一緒に薬草を育てたり、森で遊ぶことの方が楽しかったから、街に興味が向かなかった。

 それから、いとこだったベルゲニアとパートナーであるプラナスが入ってきて、私の小さな世界が少しだけ大きく、賑やかになった。

 でも、二人には二人の世界があったから、私が入り込める世界は少なくて、寂しいと思ったことが無い私には初めての感情だった。

 森と家族と二人の友達だけの世界、小さい小さい私の世界。


 そんな私が何故学校に通う事になったのか、というと、それはベロニカ伯母さん、ベルゲニアのお母さんが話を持ち出した事から始まった。

 ベルゲニアを学校に行かせるとお母さんに相談していて、その時お母さんも思う事があったらしく、お父さんとお祖母ちゃんに相談して、選択は私に任せる、ってことになった。

 表の世界に興味が無い、って事はなかった。

 同じ年の友達は二人しかいないし、私の容姿が忌み嫌われている事、自分の世界が狭いという事は前々からお祖母ちゃんに言われていたから怖いとは思っていたけれど、でも思い切って行きたいと言った。

 両親はびっくりしていたけれど、お祖母ちゃんは笑って「行っておいで」って言ってくれて、そこから突然、勉強勉強の日々が始まった。

 読み書きは不自由ない程度に勉強していたけれど知らない事は多く、ベルゲニアとプラタナスを巻き込み大変事になってしまった事は言うまでもなく、散々迷惑をかけてしまった…


 それでも、私の入れる学校は限られていた。

 大体が容姿で入学拒否されるからだ。

 でも、私はその事を知らず、というか知らされずに、ただベルゲニアとプラナスが行くというだけで、学校を決めたのだ。

 後で知ったんだけど、バレリアン魔術学校しか許可してくれなかったんだって。

 よく考えると、懐の広い学校だな~って思った。

 でも、受かってよかった。

 もし試験に受からなかったら、両親とお祖母ちゃんが最悪を考えた末に、私が本当に学校に通いたいなら、お祖母ちゃんの祖国であるグレンキース国の学校に通わせようとしていたらしい。

 プルトニーにいるより、グレンキースの方が容姿の事で忌み嫌われる事はないからだ。

 入学拒否をされる事もないだろうし。

 因みに、プルトニーからグレンキースは一日では通えない。軽く見積もって一週間かかる。

 だから、本当に受かって良かったと、その話を聞いてから心の底から思ったのは言うまでもない。



 それから入学が決まって、世間の目というものがどんなに冷たいのかってのを、改めて知った。


 バレリアン魔法学校は全寮制。

 グレンロッシー寮とリンクウッド寮、二つの寮がある。

 全寮制だから例外なく私も入寮したんだけど…

 部屋が三人部屋で、有無を言わせずプラタナスと一緒にしてもらった。というか誰も私とは一緒になりたくないって…

 でもその中で、本当に風変わり、としか言えない子、ハマメリスが私と同じ部屋がいいって向こうから希望してきて、丸く収まった。

 すっごく複雑だけど…





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