愛を求めていた少年がいたことを、覚えていてくれないか
ーまたわり さくらにー
空に咲く、輝く花たちが綺麗に落ちていきます。
世の中、変わることはあまりありませんが、この景色だけは私の心の安息です。
いつ見上げてみても変わりますから。
そういえば、私たちが初めて出会った日の夜空もこんなふうでしたね。
……この手紙を読んであなたがどんな反応をするか私には分かりませんが、泣いていたら嬉しいかもしれませんね。
さくら、実はね──君と会う前の僕には心が無かったんだ。
両親に捨てられ、孤児院で無感情に生きてきた僕だった。
ねえ──そんな僕を、田舎の孤児院で腐りかけていた僕を見つけてくれてありがとう。
感情を、生きていくことの楽しさを教えてくれてありがとう。
さくら、僕のたった一人の心に描いていた人、僕を想ってくれる綺麗な人。
君に会えて色々なものを見て、色々なことを感じて学んで、心の底からありがとうとしか言えないね。
君に救われた命、君に捧げただけなんだよ。
こう言っても君の優しい心は罪悪感を抱いているかもね。
とにかく、こっちに来るのはずっと先のことにしてよ。
早くここに来てしまったら僕が悲しいから。
色々な物語を創って、ゆっくり歩いてきてね。
あ、話が少しだけ長くなってしまったね。
君の大切な時間をこれ以上奪うわけにはいかないからさ。
あと一言だけ言って、バイバイしよう。
ねえ、さくら。
愛を求めていた少年がいたことを、覚えていてくれないか。
ー君の幼なじみよりー
日本語, 難しい.




