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面接練習

今日は総合の時間があった

皆が体育館に呼ばれ、体育座りをして整列する。


何をやるのかはしらないが、それはすぐに分かった

教頭が前に立つと、今日やることを離し始めた


「みなさんが大学入試を受けるに当たって避けられないものがある。それはもちろん皆知っての通り勉強もあるが、それとは別に面接というものもあります。

特に、推薦入試を考えている子はこちらのほうが大事になります。

まあ中には面接受けないよって子もいるかもしれないけど、どのみち、会社に就職するときには必ず面接がありますから、この機に全員、面接のやり方を勉強してもらいたいと思います。」


どうやら面接の練習らしい。

面接はクラスごとに別れて、かつ班ごとに5人づつ行う集団面接形式だ。


とりあえず1班の生徒から前に出てきて、ある大学の資料を受け取った。

そこから5分、考えたのちにその大学の入試面接を想定したロールプレイするみたいだ。


実態はよくわからないが、不幸にも俺は1番手になってしまった。

半分わからないまま、流れに従って資料を受け取る。


大学のパンフレット丸々に関連資料。そこそこ多い。

軽く開く

「歴史系の学部か..」

この大学は文学部 歴史学科なので歴史に関する志望動機が必須になりそうだ。

さらに読み進めていくと、ドイツ留学の件須賀圧倒的に多くて、そこが特色と言えるだろう。


ドイツ...

(う~ん。ハプスブルク家が好きだから~とかか?)

多分正攻法で行くなら「ドイツの歴史を学びたい」と言える志望動機をまとめるのがベストだろう

でも正直自分は詳しくない。

比較的知ってる情報を考えるが、だめだ。


社会科目苦手なんだよな..

くそっ

一旦志望動機はおいておくか。


後は何を考える?

自己PRとか?まあこれなら本来の志望校で使う文言が使いまわせる。

...まだ覚えてないけどな

というか、学部全然違うし流石にちょっとは変えないとまずいよな


やべえな。突貫でなんとかなるか?


そうこう考えているうちに5分が経過。

あっという間に面接がスタートした。


目の前の先生が「はい。じゃあ始めます」

と催促してくる。

面接に向かう生徒たちは一斉に前の席に向かう。


俺はめちゃくちゃ焦った。こんな状態で面接を戦えるわけがない。


俺は授業に対する不満がたまった

第一、本来の志望校ですらない大学の志望動機を考えて何になる?

百歩譲って練習としよう。でも面接対策自体、何日も考えてじわじわ行うもんんだろ。

5分で考えろだと?

噓つき大会かよ。一体何をやらせたいんだこいつら。


俺は頭の中が授業の不満で一杯になり、面接どころではなくなった。

思い切って背後にいた監視先生にこの授業の意味を問うた

「すいません。先に聞いておきたいのですが、この授業って意味あるんですか?」

「え?そりゃ勿論」

「正直今の志望校ですら、志望理由って何日も考えないと出てこないんですけど、突貫で考えるって無理がないですか?」

「いや、それでもやるんだよ!」


「仮に突貫で考えたとしましょう。それって推薦入試の対策じゃないですよね。国語の授業、役者の体験をする感じならまだわからなくもないですけど」

「そうだよ!国語の授業だよ!それでよい?!」

「なるほど、なら納得です」


ほとんど適当に流された気もするが俺の中にある心のイガイガはいったん解消された。

だが、この質問をしていたせいで俺は隣の生徒が言ってたことも全く聞けてない。

確か面接官は志望動機を求めていたはず..


「はい、では次。」

俺の番が回ってきた。

もうめちゃくちゃだった。

頭が回らず、何も言葉が出なかった。

「志望動機を教えてください」

またも先生に急かされる。

「それは……」と言葉に詰まる。

そのタイミングで面接官が助け舟を出してくれた。

「どうしたんですか?質問があるなら今聞きますよ?」

この言葉で俺の何かが弾けた。もうどうでもよくなった俺は全てをぶちまけた。

「いや、この大学に全く興味ないんですよ!だから志望動機なんてあるわけないんです!」

もうやけくそだ。もうどうにでもなれ……


先生は冷ややかな目でこちらを見た後、俺を飛ばして次の生徒が志望動機を答えていた。


そうして俺の面接は終了し、一旦元の場所に戻った。

同期たちの前で赤面不可避な恥をかいたが、とりあえずこれで終わりだ。

半分後悔、半分安心していたその時だった。

「君はさっき答えられなかったからもう一回ね」


面接官役の先生が俺の目を見てそう指示する

俺はまたキレそうになった。

「なっ!そっちがその気ならこっちだってすずき先生に..!」

となぜか学年主任の名前を出してしまった。

いやほんとに、なんで主任を出したんだ俺..


「は??」

「.....」

もうやけくそだ。何も喋れなかった

すると案の定か名前を呼ばれた鈴木先生が俺を連れて体育館を出た。

いわゆる「呼び出し」だ。最も自分からそれを宣言したようなものだが、同期たちの目の前で授業から退場することになった。


俺は連れ出した鈴木先生にこの行動の意味を問うた

「先生。俺はどうするんですか?」

鈴木先生は答える

「しょうがないよ。一応、プリントに内容は書いてあるから、これと合わせて教室でそれを読んでて」

「....はい」


そう言って授業の最後に配られるはずだったらしい進路探しの本を渡される。

先生の言い方は、できの悪い生徒を想定して仕方なく別の作業を割り振ってると言っている感じだった。

正直、ここで説教を受けるもんだと思っていたが、先生の性格からして、ここで大説教とはいかないらしい。

自分だけ違う所に行かされる孤独感と背徳感で反省を促す作戦だろう。これはこれでリアルだ。


俺は教室に戻って、鈴木先生が用意したプリントを静かに取り組むのだった。

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