その86
ふむ、やっぱ多少珍しい顔自体はされるが嫌悪感のある目線を向けられることが無いってのは精神衛生的に楽でいい。
「何となくだが、服を確認してから顔を見ているってのが分かってきたな」
まぁ…あんなに綺麗で草臥れていない白の半袖シャツを着た色鮮やかなボトムの集団なんだし、そりゃ最初に服を確認するか。そんで安全だと上を見たらこのひげ面がドンってな訳で驚かれんだよ……いや、面ってよりも耳の方を見て驚かれてるか?このゲームのドワーフ、耳が尖ってるんでそこが判断素材なのかもしれんな。
「ま、そんな考察はそういうのが好きな奴に任せりゃいいか」
今はそんなことよりも依頼の完遂が重要よ。副ギルマスにこってり絞られただろうギルマスに豆鰺の配達をしてやらなきゃならん。服での擬態も問題ないと分かったし、早速釣り場に向かうとするか!
ザザッ…ザザッ…
「ここに来るのも昼振りだな」
やって来たのはギルネットに初めて出会った町の港だ。ここのスチルを公式ホームで見て、ここなら楽しめそうだと決めたんだよなぁ……当初の予定とはだいぶ違うが、色々な意味で楽しめてはいる。運営の思惑に見事に嵌まっている気がしなくもないが…こう言うのは寧ろ多少嵌まらんと進行しなくなったりするんで、必要なことだろう。言わば強制イベントみたいなもんだ。
「イベントにギルドの馬鹿騒動は含まれていないだろうがな」
そんなことを言いながらも外していた麦わら帽子とライフジャケット、更に磯靴も着用し緩みなどがないか確認する…よし、問題ないな。麦わら帽子で影が出来ちゃいるが、やっぱ夏の釣りって考えたら今みたいに長袖を着ておかんと肌が焼けて仕方がない――――下手すりゃ水ぶくれが出来るし、最悪深度火傷で一生跡が残る。
「だから幾ら暑くても薄手のインナー的な物を着て挑むべきだ…磯場のときゃ麦わら帽子で助かったがよ」
それでもジリジリとした夏の日照りが照り返してはいたんで、この騒ぎがなくとも焼け防止の服を買う予定だったんだよなぁ。予定よりも早まったから金がすっからかんだぜ。
「いや、すっからかんなのは何も考えずに買った俺のせいか」
……虚しくなってきたんで、早いとこ仕掛けの準備をしよう。
日焼けって気づかぬうちに深いところまで進行するのでご注意を。水ぶくれ等が出来るレベルの場合は、潰さないように水道水や自販機での冷えたペットボトルで患部を冷やしながら皮膚科へ!
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それと先日からではありますが、ローファンの新作を投稿し始めました!
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