その84
「んでおっちゃん。買い物の後に聞きたいことがあるんだっけか?」
「おう、覚えてくれていたんだな」
「もちろんよ!物覚えは良い方だぞ!」
俺はトマトの衝撃で記憶から抜けそうになっていたぞ…もしこの町から移動することになっても夏の間は定期的にこの店には通ってみるとこにしよう。だって棚がトマトで埋まっているのは見て観たいだろ?間違いなく面白いぞ。
「んで何が聞きたいんだ」
「ここらへんで服屋が無いかと思ってな」
「服屋?何でそんなとこ探してんだ」
「ここらへんで走り回ってる奴らと同じ扱いをされるのが嫌でな」
あぁ…と納得のいった顔をする兄ちゃんを見ると、この路地の周りでも迷惑がられているっぽいな?こりゃ衛兵が出動するのも時間の問題かもしれんぞ。
「俺が知ってるのは庶民向けの所しかないんだが、それでもいいかい?」
「むしろ大歓迎だ」
今の俺はまたもや金がないんでね…安ければ安いほどありがたい。
「なら3つ隣の奥に服屋があるぜ」
「あー…地図があるんだが、これで教えてくれんか?」
そう言って道具屋で受け取った地図を取り出す。
「おお?大分詳細な地図だな。路地裏の小道も書いてあるし教えやすくて助かるぜ……えーっと、ここだな」
「マジで奥にある店だな」
この地図貰っていなけりゃたどり着けないぞこんな場所。改めてリールには感謝しなくちゃいかんか。
「その分質は良いのが取り扱ってるぜ」
「ここみたいにか」
「おうよ!だから目ざといやつらからは穴場になってるんで、気に入ったのがあれば即決するといいぞ!」
「…今まさに近づいてきている姉さん方みたいにか?」
突然物凄いプレッシャーを左右から感じたかと思ったら、布袋や箱を携えたおばちゃ…お姉さまがここ目掛けてゆっくりと近づいてきているのが見えた。すげぇな、歩きながら隣の同志と笑顔で話してるってのに威圧感が伝わってくるわ。
「今日はいつにも増して気合が入ってるな……どうだいおっちゃん!ここで手伝いでもして――――もう居ねぇ!?」
左右から伝わるプレッシャーから、八百屋の店主は今日は捌ききれるか分からないと感じゴンゾに助けを求めようとしたが、先ほどまで目の前に居たはずなのに忽然とあの麦わら帽子が消えた…逃げられたか!
’リーキを頂戴な!’
’こっちはポテト!’
’ああ!?狙ってたパプリカ!’
’早い者勝ちだよ!’
”ちょ、ちょっと待ってくれ!まだ在庫あるから落ち着いてくれ!?ちくしょー!どこだおっちゃーん!”
「まぁ、また今度たんまりと買いに来るから勘弁してくれや」
早速また地図の世話になったぜ…子供の裏道って書かれていたが、背の低いドワーフだからこそ逃げ込めたな。八百屋の場所を兄ちゃんが指さしたおかげで、道の場所や方向が分かって巻き込まれる前に入れたが…それでも筋肉のせいで体格は良いし、種族的に走るのも遅いんで割とギリギリだったわ。麦わら帽子も外すことになっちまったが…
「それでも結果的にはオーライだ。日も当たらねぇから涼しくて楽だしよ」
んじゃあ、八百屋の兄ちゃんの犠牲を忘れない内に服屋に向かうとしますかね
色々書かれていて便利…ただしスイーツ店の主張は強い。
ブックマークや評価を頂けると嬉しいです!
それと昨日からではありますが、ローファンの新作を投稿し始めました!
https://ncode.syosetu.com/n7831kz




