その82
未だに受付に人が並ぶギルドから外に出た。つーか、俺が呼ばれた時よりも列が長くなっている気がしたが……今のタイミングだと加工場の方も混んでそうだな?
「ま、そうだとしても依頼はやらんとな」
別に依頼の期間が決められているわけじゃないが、豆鰺はつまみにしたいって書かれてんだから早いところ釣ってきた方がいいだろ。それに、買った道具を試す丁度いい機会だ。
「他のやつらも金をためて、魔魚用の道具を買えばいいんだがねぇ」
目先のレベル上げに囚われて、一番大事なギルドや町での心証を何も考えてないっていうな。正直俺に関係なけりゃほかのプレイヤーなんぞどうでもいいんだが、絶賛迷惑が降りかかりそうな予感がしているからよ…ああそうだ。
「どうせなら余った金で安めの服でも買っておくか?」
最初の町の一つだけあって、そこら辺を歩くプレイヤーの服装が色以外は全部統一のチノパンやシャツだから目立つ目立つ。なんでその服装自体を全く違うものにしちまえば、災難が降りかかる可能性も減るって考えよ。ま、冒険者やらを目指している奴は防具を装備していることもあるんだろうが…防具を付けても下の服は変わらんだろ。
「それ以前に冒険者を見かけねぇし」
もしかしたらこの町は戦闘が好きなプレイヤーには不人気なのかもな。ま、荒くれ共に絡まれる可能性が下がるって考えればわるいことじゃねぇ。
「もし居たとしても、現地の格好に合わせておけば絡まれる心配も下がる…か?」
寧ろNPC呼ばわりされて難癖付けてくる馬鹿がやってくる可能性もあるが、そんな馬鹿はもう衛兵に突き出されたから大丈夫だな。それよりも、はた迷惑なお騒がせ者と同じ扱いをされる前に替えた方が建設的だ。
「となると服屋を探すべきなんだが。いったい何処にあるのやら」
市場にはもう人はいねぇし、今出たばかりのギルドに戻って場所を聞くのも面倒。だとしたらギルネットやシキルの嬢ちゃんを探すってのも手なんだが―――絶賛喧嘩祭り中だろうし却下だ。
「……あぁ、そういやもう一つ手があったか」
たっぷりと買い物をするって約束したんで、それを果たすついでに教えてもらうとしようかね。
一体どこに行くんでしょうかね。
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