その74
「それで!一体どちらのお店をご紹介したんですか!」
興奮し、鼻息を荒くしながらこちらに近づいてくるリール。おい、俺のほうが背が低いからって若干背をかがませながら間近に来るんじゃねぇ。
「落ち着け。本当に教えんぞ」
「はい!落ち着きました!」
本当か?目がキラキラしてんだが…いや、目は最初からそうだったか?こいつがどっちか分からん原因の1つだよなこれ……まぁ恋愛模様を見るのが好きな変人って認識になったるから性別はもうどうでもよくなった来たがよ。
「店はフランネールっつー店だ」
「ナイスですよゴンゾさん!よくぞそのお店を選んでくださいました!」
「まぁリーズナブルで相談事におススメって書かれてたんでね」
「それでもですよ!あのお店ならギルネットにシキルさんも知っている場所なので、すぐに行けますから」
「そのギルネットは花屋だと思っていたそうだぞ」
「……あの唐変木め……」
おー、なんとも渋い顔をしてやがる。と言っても俺からしても何で飯屋だって気づかなかったのか不思議だけどな?普通店の中から飯の香りやらがしてくるだろうから分かりそうなもんだが…店構えからして自分にはかかわりのなさそうな店だと認識していたかもしれんか。
「まぁその鈍感なおかげで問題なく誘導できたんだ。後はシキルの嬢ちゃんが上手くできるかどうかだ…ギルネットが店の雰囲気で気がつく可能性もなくはないが」
「気づくと思います?」
「自分で言っておいてなんだが、かなり低いと思うな」
なんせあんなに好意を向けられてんのに全く気が付いてねぇんだもの。シキルの嬢ちゃんが副船長って立場なんだから結構長いこと一緒にやってると思うんだが、逆に長く仕事をやりすぎてビジネスライクになってのかね。
「ですよねぇ。それで、時刻とかってわかりますか?」
「そこはハッキリしねぇが…シキルの嬢ちゃんが明後日が休みだって言ってたのを考えると、そこだろうな」
ギルネットの事だ、思いついたら即断即決だろうよ。
「ついでに言えば、相談の後は必要な物を買うだろうから時間が必要だろうとも伝えておいたぞ」
「素晴らしいですよ!となるとあの馬鹿の事だから早い方がいいだろうってことで、開店と同時にフランネールに…これは後でお店に個室の予約を言っておかなければ……それとシキルちゃんに服と化粧品を怠らないように伝えないと。後はメインストリートの方々にも協力を……」
スイッチが入ったのかブツブツと何かを呟きだすリール――――こいつ恋愛相談所とか開いた方が儲かるんじゃねぇか?
恋のキューピットではなく外堀作業員。
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