その70
頭を下げ続ける船員たちを背に酒場を後にする…ギルネットの騒ぎやらで他の客が少なくなったのが幸いだ。とっても横目で見たが苦笑しているやつらが殆どだったがな?恐らくいつものことなんだろうよ。
「さてと、これに並べばいいのか」
酒場を出た途端に見えるのは、体格のいい奴らが律儀に守って並んでいる人の列だ。ギルドカウンターの方を見ると昼に見た時よりも多くの受付が出張って作業をしているのが見える。
「この時間帯は報酬を受け取りに来る奴が多いってことか」
といっても割とスムーズに進んでいくし、その報酬を受け取ったやつが上機嫌に俺の背にある酒場に入っていくのも感じられる…割と上手くサイクルが回ってるってわけだ。
「となれば俺もここで突っ立っているわけにゃいかんな」
一番後ろに回って呼ばれるのを待つとすっかね…ついでに掲示板でも確認しておくか。ほうほう、魔法のスクロールを売っている場所を発見した奴がいるのか。ただ一番安い生活魔法のスクロールでも20000ミールして高すぎるって文句が出てるっぽいな。
(俺ならその値段でもいいと思うがなぁ)
なんせ着火に飲用できる水、周囲を照らす光と洗浄やらが全部纏まっているスキルが手に入るんだろ?めちゃくちゃ便利じゃねぇか。わざわざ手を洗わなくても洗浄を使えばピカピカだし菌におびえる必要がない…なんなら生魚を扱うとしたら必須ともいえるかもしれんな。まな板や包丁、そして捌く身にもかければ病原菌を一掃できるぞ……流石に身の中の寄生虫やフグ毒やらの蓄積毒は無理だろうがな。
(特に探索なんかをする奴らにとっちゃ明かりなんざあって損のないものだと思うがね?松明やらじゃ消耗品だろうし片手も塞がっちまうだろ)
ああ、それだけが単体で欲しいとかで揉めてんのか。別にめちゃくちゃ高いってわけじゃねぇんだから金を貯めて買えばいいものを…そのうち他のやつも必要になるかもしれんってのによ。沼地エリアが出てきたら洗浄や水で洗い流すって使い方が出来るってのを想像出来んもんか?
いや、そういう反論しているやつらもいるなぁ。ただ単に運営の使用に文句を言いたい奴らが群がってるってだけか。ならこれを見ている意味はないし、他のやつを――うん?
「フィンド捜索板?フィンドっていやぁこの町だよな」
これがプレイヤー共が周囲の迷惑を考えずにドタドタ動いていた原因か?……どれ、ちょっと見て観る
「次の方ー!そこのドワーフの方ー!」
「っと俺の番か。今行く!」
こうして、捜索板のことは忘れ去られていった。
真実に気が付くのはいつになることやら?
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