その64
「うおっ!なんだ一体」
俺がハタを釣り上げたと聞いて静かになったと思えば、今度は一気にどんちゃん騒ぎだ…ハタが高級魚だから祝ってくれてんのか?
「いやぁ、中型魔魚を釣ってくるとはめでたいぜ!」
「うん?ハタだからってわけじゃないのか」
「まぁそっちも良いことなんだが、中型を釣り上げんのはここらじゃ一人前の証になってんのよ!」
”小型と違って暴れまくりますからね!”
”しかもハタとあっては最初のファイトが重要でさぁ!”
成程成程…それでこの騒ぎか。恐らく騒ぎたい奴らの方が大半何だろうが、祝われるってのは悪くない。年を取るほどに褒められるってのは無くなるからなぁ……逆にもう少し経てば元気に歩いてるとかで褒められるのかもしれんがな?
「んでどうだったよ感想は?」
「まぁ大変だったな。ロッドとリールがない状況でファイトをする羽目になるとは思わなかったぜ」
「そうだろそうだろ!……ん?ロッドがないってどういうことだ」
そういやギルネットは道具屋について来ていないから、俺がどんな釣り具を買ったのか知らんのか。
「そのままの意味だ。ラインと仕掛けだけの手釣りで釣り上げたんだよ…あぁちゃんと餌は使ったぜ?」
「おいおい、とんでもねぇな!まさかそれだけで中型を釣り上げちまうとはな……軽く大変で流す話じゃねぇぞ?」
「つってもちゃんと釣れたからそれしかいうことがねぇのよ。流石にレベルが初期なんでMPはすっからかんになったけどな」
「当たり前だろ!つーか普通はそのレベルのがやってきたら諦めるもんだぞ」
「悪いがあきらめが悪いもんでね。行けるところまでやるのが俺のポリシーだ」
それに手釣り自体は何度かリアルでやってるからな。黒鯛狙いの時に80センチ越えのランカーサイズ――釣り人が目指す大型の魚の大きさの事だ。チヌだと歳無しとか言われるな――のスズキが掛ったときに比べりゃまだ優しいもんだったぜ。あんときゃよく体力が持ったもんだ。
「ポリシーな……ったくこっちに来て初日って言ってたのに驚きの連続だぜ。荷下ろしの時に見かけて声をかけたのは正解だったな!」
”流石おじき!”
”その筋肉は伊達じゃない!”
”よっ!ナイスバルク!”
それは誉め言葉でいいのか?こちとらボディービルダーじゃないんだが…
ランカーサイズは尺アジぐらいしか釣ったことがございません…いつか釣ってみたいものです。
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