その63
甘い雰囲気というよりもう砂糖の空気を感じる道具屋から退出し、その反対にある酒場へと足を進める。
「そういや木札の番号はどうやって判断すんだ?」
受付の方を見て観るが、何か番号が張り出されているわけじゃねぇし……基本的に酒場に居るやつらの方が多いからそっちで呼び出してるとかかね?ただそうなると外に出ていくやつとかもいるだろうし手間なきがすんな。
「ま、順番になれば分かるか」
なんならギルネットか周りにいる船員のやつらに確認すればいいだろうと、西部劇などに出てきそうなスイングドアを押して酒場の中に入っていく…瞬間一気に酒精の香りと暴力的な肉と魚の香りが襲い掛かってきた。更には酒場の外部と比べると騒ぐ声も何倍にも大きく感じる。
「なんだこりゃ、随分と外からの印象が違うな」
「そりゃ俺らが騒いだりすっと市場の外にも音が響いたりするからな!防音とかがきちんとされてんのよ!」
「そういうことか…情報感謝するぜギルネット」
「おうよ!それよりもようこそゴンゾのおっちゃん!」
”””お疲れ様ですゴンゾのおじき!”””
「……そのおじきってのはどうにかならんのか」
”””おじきはおじきですんで!”””
「そうか…」
ヤ〇ザの挨拶みたいなのを止めさせたかったんだが、何度か言われているうちに定着しちまったらしい…もうこっちが慣れるしかないのか?
「ナハハハ!随分と懐かれたな…姉ちゃん!こっちのおっちゃんにエールとつまみを出してくれや!」
’はいよー!’
「おい、まだ酒を飲むとは決めてないぞ」
「良いじゃねぇか!ドワーフなら駆けつけ一杯なんざ挨拶みたいなもんだろ?…それに良いのが釣れたのか機嫌が良さそうだしな」
「分かるか」
「勿論だ!勘が良くなきゃ漁師はやって行けねぇさ!」
その勘をもう少し恋愛方面に向けられないもんかね……いや、漁に全振りしちまってるから成長が見込めんのか?
「そんで何が釣れたんだよ?」
「ハタだよハタ。しかも50超えの魔魚だ」
「……」
”……”
「なんだ、どうしたお前ら」
折角自慢の1匹を教えたってのに目を見開いたかと思えば急に静かになりやがって。妙な雰囲気を察したのか周りのやつらも黙ってこちらを見てんじゃねぇか。
ゴッゴッゴ…ゴン!
「ゴンゾのおっちゃん」
「あん?」
何かを飲み込むかのように木のジョッキに入ったエールを飲んだかと思うと、力強くテーブルに置きこちらに目を閉じながら話しかけてきた…マジで何なんだ?
「――今日は宴だ!」
”””待ってました!!”””
ワッ!
ギルネットのその一言で静かだった酒場がまた一段と騒がしくなった。
宴の理由は次回。
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