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その61

 う~~ん、カウンターの縁まで追い詰められていくシキルの嬢ちゃんを見るのも良いんだが流石に助けるか?ただ、そもそもギルネットが誘うように唆したのは俺だしな…もっと言えば今詰めているリールがはよ進展しろって行動してるのもあるし。


「とにかくお店で悪くない雰囲気になったと思ったら切り出すこと!」

「はい!」

「宜しい。それで、食事をするお店は決まってるの?時刻は?」

「それはまだみたい。ギルはカードを壊してお財布の中身も余り無いからどうしようかって悩んでいたわ」

「また壊したんだ…確か貯金とかは管理してるんだよね」

「ええ、自分じゃ使い込んじゃうからって。だからって私に預けると思わなかったけど」

 見事なまでに嬉しげな顔をしてやがる。そういう顔をギルネットの野郎にもっと見せればいいんじゃないかと思うが、余計なことは言わんでおこう……ほら、そこでウマが後ろ足を準備してるのが見えるし。


「…(もう外堀どころか城主の前にいるようなものなのに、何でそこで止まるのかしら)ボソッ」

「どうかしたの?」

「ううん、何でもない」

 俺には聞こえちまったな。やっぱこの体は色々と高性能だ…要らんものまで聞こえてくるのはいただけないが。ま、リールの意見には全面的に同意だ。副船長で信頼されていて、気の置けない会話どころか金の管理も任されているし船員からも応援されている。それでも進まないのが超鈍感なギルネットと奥手すぎるシキルの嬢ちゃんだったんだろう……これ人物対象のクエストな気がしてきたぞ。リールも上手くいったら何かくれるとか言ってるしよ。


「えーっとお店が決まっていないとなると…相談とかをするんだから個室なのは確実よね」

「そうね、ギルも船員を交えないできちんと話したいって言ってたし。個室で有ればこ、こここ、告白も少しはしやすいと思うわ」

 見事に緊張してるな。一瞬鶏が鳴いてんのかと思ったわ……このレベルだと人が多くいた方が楽になる気はするが、告白の瞬間なんざ野次馬どもは静かになりそうな予感はするな。んで視線が集まりすぎて留まるってのが目に浮かぶわ。


「となるとレストラン…でもお金が少ないと厳しいだろうし、ああいうところは個室は夜しか開けないから余計に高くなるか」

 チラ


「…ん?」

 今リールが俺の方を見てきた気がするが…何か伝えようとしてんのか?

レストランは夜にしか個室がない…そういやどこかの釣り人がグルメ情報を持っていたような?


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