その52
受付のガタイのいいオヤジについて行き、なんとか目的の8番の作業台にたどり着いた…お陰で迷うことはなかったがぶつかった相手がこけそうになることは何度かあったな。気が良いやつらばかりなのかこけそうになっても不注意だったって謝罪してくれたし面倒ごとにはならなかったのが幸いだぜ。
「うし、ここに依頼品を出してくれ。それ以外でも買い取るんで構わないぞ」
「うん?受付に戻らんのか?」
「そら俺が査定も加工も受け持つんでな。あそこは受付兼加工者の指名場になってんのよ…ギルドの受付の兄ちゃんや嬢ちゃんだとここの匂いに耐えきれるかわからんだろ?」
「確かにそうか」
結構独特な香りが広がってるからな…漁港の香りを何倍にも圧縮したみたいな感じと言えば聞こえはいいか?言っちまえば生臭さと内臓を取り出したことによる血生臭さやらが空間を支配してんのよ。
「慣れてないとキツイもんだよな」
「そういうこった!お前さんは服装的に外界人だってのに大丈夫そうで安心したぜ」
となると基本的にプレイヤー共はこの加工場が苦手ってわけか。周りを見ても俺を同じような服装な奴はいねぇし、オヤジの言葉は正しいようだ…服を買って着替えてたら分らんけどな!
にしても他の漁師やらが持ってくる魚やらが見えて面白いと思うんだが、そこまで耐えきれないレベルかねぇ。まぁリアルの漁場つーか市場に行き慣れてないとすれば仕方ないか?
「あっちでも釣りやらはやってたんでね。こんぐらいだったら問題ないぞ」
場合によっちゃあこの場所の比にならないぐらいの臭いを発する魚もいるんでね…アメリカナマズの内臓の臭いや、外れのメイチやキスのカルキ臭と言ったらとんでもないレベルだからな。ありゃ一種の兵器だ。
「そりゃ楽でいい。この場に居られないやつの為に外でブツを受け取って番号を渡すってのもやってんだが、その場で査定して金よこせって奴もいたんだよ…そんで渡してきたのがこんな小さなフグ3匹とかの時もあってな?」
親指と人差し指で大きさを示してるが、5センチぐらいか。
「ただの阿保じゃねぇか」
何をどう考えたらそんな豆フグなんか持ってくんだよ…いや何も考えてないからか。
漁港で大体釣れる豆フグ…もし釣れたとしてもそのまま地上に放ったり、叩きつけるとかの事はしないで海へリリースをお願いします。
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